税理士法人創研
代表社員 税理士 伊藤 大作 様
財務コンサル事業を新たに立ち上げ
税理法人創研は、税務・会計・コンサルティング等の業務はもちろんのこと、事業承継対策や医業等の業務についても幅広くサポートされており、現在は35名のスタッフを抱えて事務所を運営されている。
ここ最近では、 コロナ融資の影響で要償還債務額が増加している顧問先が多くなっているため、キャッシュ・フローを中心とした経営計画の策定支援に力をいれている。
事務所内でも新たに「財務コンサル事業」を立ち上げ、すでに2件の契約を締結し、さらに追加で3件提案中だという。
なお、税理士法人創研では財務コンサル事業を立ち上げる前より、経営力向上計画、先端設備等導入計画、中小企業経営強化税制など、中小企業支援のメニューは幅広く対応しており、早期経営改善計画にいたっては10件の支援実績があるようだ。
財務コンサル契約は30,000円/月~
財務コンサルティング契約では、税務顧問料とは別に月額で30,000円~という料金を設定している。この費用をいただきながら、税務顧問として月に1回の面談、財務コンサルとしてさらに月に1回の面談を実施しているという。
財務コンサルとしての面談では、顧問先企業とどのような話をしているのか。財務コンサル事業の担当者である反田 (たんだ)氏に話を伺った。
財務コンサルの面談では、まず現状のキャッシュフローについてアドバイスをしている。また、現在の経営状況であれば期末にどのような財務状況になるのかという、当期末のキャッシュフローシミュレーションをサービスとして提供しているようだ。
きっかけは1枚のチラシから
反田氏によると、財務コンサル提案のきっかけとして協議会のツールである「FAS チラシ」を活用しているようだ。 特に今はコロナの影響があるため、経営者から資金繰りに関する相談が多く上がってきている。
資金繰りの相談を多く受ける中で、FAS業務の3つ目の「F」である、フルサポート(Full support)として、相談企業ごとに該当する公的制度をもれなく提案するように心がけているという。
経営者に寄り添った支援体制を示すことで顧問先企業にも喜んでいただき、 結果として財務コンサル契約につながっ たと反田氏は語る。
収益化のポイントはサービスの商品化
「財務コンサル事業」の運営体制についても聞いてみた。 現時点では、3名のプロジェクトメンバーにて財務コンサル事業に取り組んでいるという。
プロジェクト運営のポイントについて反田氏はこう話す。メンバーの3名が同一のサービスを提供するために、協議会のFASチラシを少しアレンジして、事務所の支援内容と価格表を記載した。
支援価格までを事前に決めておくことで、財務コンサルティングを事務所の付加価値サービスとして明確に商品化したのだ。
担当企業にて当座貸越を3件設定
税理士法人創研がおこなう財務コンサルとは、具体的にどのような支援なのだろうか。
反田氏によれば、協議会のエグゼクティブプロデューサーである小寺氏が提唱する「短長最適」の考え方を参考にし、所要運転資金は短期借入で調達する。また、小寺氏がキングオブファイナンスと語る「当座貸越」での資金調達をゴールとして企業への財務改善アドバイスを実施しているようだ。
なお、短長最適や当座貸越についてこれから学習される先生は、Knowledgeライブラリーにある「金融機関と対等に会話できるようになる講座」シリーズをご視聴いただきたい。
ちなみに、反田氏の担当企業ではすでに3件の当座貸越を設定できたようだ。このレポートをご覧いただいている先生方もぜひ金融機関への交渉にチャレンジしてほしい。
業界ワードは積極的に発言する
なぜ、反田氏は金融機関との交渉において次々に成果を残せているのだろうか。反田氏が大切にしているのは 「金融機関の業界ワードをあえて話すようにしている」ということだ。
具体的には、協議会の講座動画でも小寺氏が頻繁に語る「債務償還年数」や「自己資本比率」、他には「金融庁の形式基準」などを意識的に発言することによって、担当行員から驚かれる(一目置かれる)ことがあるようだ。
こういった反田氏の積極的な姿勢により、反田氏ひいては税理士法人創研に対する金融機関からの評価が上がっていることが予想される。まさに、小寺氏の講座タイトルの通り「金融機関と対等に会話できる」状態が生まれたのである。
まとめ
今回の事例から学べる、明日から実践してほしいアクションプラン
① 地元の金融機関には頻繁に足を運び、補助金等の案件が発生した際に紹介いただけるような信頼関係を構築しておく
② 信頼関係がある金融機関の担当行員にはズバリ「案件紹介ください」と話してみる
③ 顧問先企業からの紹介制度を準備しておく(例:謝礼制度)
④ 補助金申請書の作成について、事務所で対応できない場合に企業側に申請書の土台は作成してもらう
⑤ 税務顧問とは別に「財務コンサル」というサービスを明確に商品化する
⑥ 財務コンサルのチラシと料金表を準備する(協議会のFASチラシを参考にする)
⑦ 金融機関との折衝では積極的に金融業界ワードを発言する