活動事例

地域に根付いた活動で補助金7件受注

商店会をきっかけに補助金7件受注

今回は、東京都練馬区から千葉県柏市に移転したことをきっかけとして、地域に根付いた活動に取り組み、補助金申請案件を受注された会員事務所の事例を紹介する。

NEO FRONTIER TAX OFFICE は日沢新 (ひざわしん) 先生が、2018年に設立した、スタッフ数3名の税理士事務所である。

税務会計だけでなく、補助金申請支援をはじめとして積極的に中小企業支援を実施しているNEO FRONTIER TAX OFFICEでは、小規模事業者持続化補助金を7件受注した。

柏市への移転をきっかけに日沢先生が出会ったのが地域の商店会である「ウラカシ百年会」だった。ちなみに、柏駅周辺の百貨店エリアが表の柏と呼ばれているのに対し、柏市三丁目を中心に、県内外から古着店の出店ラッシュが相次いだことで若者たちの活気に満ちたエリアが裏の柏=ウラカシと呼ばれるようになった。

小規模事業者持続化補助金の申請支援案件を7件も受注した背景には、まさにこのウラカシ百年会での活動があった。ウラカシ百年会の運営メンバーにホームページ制作会社を経営する方がおり、その方からの案件紹介を中心に補助金案件を受注されたようだ。  

なお、取材時点ではこの7件の採択については審査待ちであったが、さらに次の締切りに向けて追加で2件を受注したとの報告をあった。

案件紹介を引き出すためのポイント

ところで、 なぜ日沢先生は小規模事業者持続化補助金の申請を支援しようと思ったのか。

日沢先生によると、 経営革新等支援機関推進協議会のサービスである基礎研修を受講した際に、ホームページ制作や広告関連経費が持続化補助金の対象経費になることを知った。  

そのことをウラカシ百年会で告知をしたところ、柏市だけでなく千葉県全域の事業者を支援するホームページ制作会社と連携することになったようだ。

こういった業務連携に関して、上手く紹介をいただくポイントとして大事にしていることは何かと日沢先生に伺った。

日沢先生がこだわっているのは「Win-Win-Win」の関係になることだ。自分だけでなく、紹介元の企業も、紹介先のクライアントも関わるすべての人にメリットが生まれるような活動を常に意識することが、また次の紹介へつながるポイントだろう。

少数スタッフで補助金対応する方法

7件もの持続化補助金を申請支援した体制は次の通りだ。 まず、クライアントとの面談やヒアリングは代表である日沢先生が実施した。次に申請書の作成支援は原則として事務所スタッフが担当している。

申請書の作成を支援する事務所スタッフは協議会が用意している「申請書サンプル」を見本にしているため、常に一定レベルでの申請書作成が実現できているという。

補助金支援から税務顧問へ

NEO FRONTIER TAX OFFICEでは、上記のような補助金支援から税務顧問契約へとつながった案件もあったようだ。その成功事例についても日沢先生に伺った。

日沢先生によると、税務顧問へつながるためのポイントは「相談しやすい税理士だと思われること」だそうだ。例えば、 補助金支援についてもウラカシ百年会では、日沢先生が補助金申請を支援してくれるということが話題になっているようで、持続化補助金だけでなく、ものづくり補助金や、まもなく公募が開始される事業再構築補助金についてもすでに相談が入っているようだ。

このようにして、税務会計でもそれ以外のことでも、気軽に何でも相談できる税理士だというイメージを定着させたことが日沢先生の最大の強みであるように感じた。

補助金ニーズは必ずある

事業再構築補助金については、ウラカシ百年会のグループLINEに情報を投稿し、 自事務所で申請が支援できることを告知しただけで、なんと6件もの相談が届いたようだ。

このような状況から、日沢先生は「中小企業に補助金ニーズは必ずある」と語ってくれた。「ウチの顧問先には補助金案件は無い」と思っている先生方もぜひ補助金情報の案内だけはやってみてほしい。

もし、顧問先へ情報発信する時間や工数を確保できないという先生方には、2021年3月に協議会が新サービス 「FASクラブ」をリリースする(FASクラブの詳細はサービス説明会動画をご覧いただきたい)。 

そのほかに、税務顧問や補助金案件を、紹介案件として上手く受注するためのポイントとして欠かせないのが、キーマンとなる紹介者とつながりを持つことである。知り合いを紹介するということは、紹介元にとっても少々ハードルが高いため、誰でも気軽に紹介してくれるということは現実的には難しい。

一方で、紹介好きな性格の人(人のつながりをより大切にする人)も存在する。そのようなキーマンと出会うことができれば、上手く業務連携することで次々に紹介案件を引き出せる可能性もあるのだ。

日沢先生によれば、日常の自分の行動範囲の中でも紹介キーマンが見つかることもあるのだという。例えば、日沢先生がプライベートで頻繁に訪れるアパレルショップのオーナーが実は紹介キーマンだった…など。

まとめ

今回の事例から学べる、明日から実践してほしいアクションプラン

① 地域に根差した活動を進める場合は商店会のようなグループに所属する

② 協議会の研修または動画コンテンツを視聴して補助金知識を身につける

③ 補助金申請支援を分業する場合は、申請書作成支援できるスタッフを育成する

④ 申請書作成実務には協議会の申請書サンプルを参考にする

⑤ 事務所で補助金支援ができることを告知する(例:グループLINE)

⑥ 案件紹介においては Win-Win-Win を強く意識する

⑦ 紹介キーマンとのつながりを大切にする