活動事例

開業1年で金融機関から協業の申し入れの秘密は

開業 1 年で金融機関から協業の打診あり

東京都中央区に事務所を構えるYDK日本橋税理士事務所は、開業からわずか1年で早くも金融機関からの信頼を獲得しており、とある金融機関からは協業の申し入れがあったという。

YDK日本橋税理士事務所は、現在事務所スタッフ5名であるが、2021年4月に高卒採用による1名の入社を予定している。

ちなみに、入社予定の人材は簿記などの資格を持っているわけではなく、完全な未経験者の採用となる。

代表の山口先生は、今後の会計事務所業界を盛り上げていくためにも、未経験者であっても積極的に人材を採用していくべきだとお考えだ。

顧問先数については設立当初は5社であったが、現在では20社まで拡大している。さらに2021年末には顧問先を70社とすることを目標とされている。

なぜ、開業から1年ほどの会計事務所が金融機関の信頼を得ることができたのか。

その秘密は企業と金融機関の面談に、積極的に同席していることにあった。金融機関との面談に同席するようになったきっかけは「コロナで苦労している顧問先の助けになりたい」という思いからだそうだ。

また、山口先生は今後の事務所の発展のためにも、早いうちから金融機関との接点を持っていくことが重要だと考える。

金融機関面談の同席については、 日本政策金融公庫や地方銀行など、わずか1年で6行以上の金融機関面談に同席したという。

面談への同席で先生が担う役割とは

会計事務所が面談に同席することの目的や、先生が担う役割について伺った。

山口先生によれば、企業の社長は、 ご自身の事業に対する熱い気持ちはお話しいただけるものの、現実的な計画数値などの説明は得意とされていないケースが多いようだ。

そういった場合に山口先生が金融機関に対して計画数値の根拠などを代理で説明することにより、企業の社長も金融機関も安心感が得られている。

会計事務所として金融機関面談に同席する際のポイントを伺った。

山口先生によれば「複数名(先生+事務所スタッフなど)で同席すること」 が意外なところでメリットを生んでいるようだ。

特に事務所スタッフだけでなく、山口先生が同席されることによって、金融機関側の対応が上位者へ変わることがあるようで、顧問先企業からの満足度も向上されるという。

同席する際に会計事務所として準備しているのは「事業再生計画」や「返済計画」である。

ちなみに、これらの資料作成については協議会が2020年に実施した特別有償研修である「小寺塾」で学んだ経験が実務に生きたと事務所スタッフが語ってくれた。

補助金支援も積極的に

YDK日本橋税理士事務所は、財務金融支援の他にも、補助金支援を積極的に実施している。

支援件数は小規模事業者持続化補助金が5件、ものづくり補助金と東京都創業助成金がそれぞれ1件である。

なお、持続化補助金5 件のうちの4件はWEB制作案件であり、顧問先であるWEB 制作会社からの紹介案件だったようだ。

補助金申請における事務所の体制については完全な分業制を採用しているが、顧問先とのコミュニケーションはチャットワークというツールを活用することで、顧問先との連絡内容はすべてのスタッフが把握できるようにしているようだ。

分業制においては、将来的に事務所が拡大していくことを見据えて取り組んでいるようだ。

革新的サービスで顧客の信頼を得る

事務所の理念は「誠実に革新的なサービスを提供し、お客様からの信頼を得る」というものだ。

その中で、革新的なサービスを提供するために協議会サービスを活用しているという。

補助金申請支援においても、協議会の申請書サンプル添削サービスを積極的に活用している。

また、F⁺prusから出力される「企業財務診断書」を決算報告時に活用しており、顧問先にも喜んでいただけているようだ。 

さらにYouTubeチャンネルでも顧客向けの動画をアップしているようで、今後も顧問先の役に立つ動画を積極的に公開していきたいとのこと。

まとめ

今回の事例から学べる、明日から実践してほしいアクションプラン

① 会計業界を盛り上げるためには未経験者でも積極的に人材採用する

② 顧問先と金融機関との面談には積極的に同席する

③ 金融機関面談では計画数値に関する説明をおこなう

④ 金融機関面談には「事業再生計画」や「返済計画」を準備する

⑤ 顧問先にWEB制作会社がある場合は持続化補助金の業務連携を提案する

⑥ 分業化を図るためにチャットワーク等の ITツールを導入する

⑦ 決算報告時にF+prusの「企業財務診断報告書」を活用する

⑧ YouTubeを活用し、顧問先向けの動画配信にチャレンジする