税制優遇措置として「賃上げ促進税制」や「人材確保等促進税制」が実施されていますが、顧問先への周知はお済みでしょうか?
事業者の多くは、税制優遇措置の名称は聞いたことがあっても詳細までは知らないという現状です。
本記事では、事務所が税制優遇を周知することで事務所として付加価値の高いサービス提供につなげる方法を解説します。
目次
賃上げ・採用の税制優遇とは
賃上げ・採用の税制優遇について簡単に解説します。
賃上げ促進税制
賃上げ促進税制は、令和4年度税制改正大綱において所得拡大促進税制に代わる税制であり、従業員の給与支給額の増加額が前年度と比べて一定額以上増加していれば税額控除されます。
適用企業は青色申告している企業であり、大企業は最大30%、中小企業が最大40%の税額控除となります。
なお税額控除の上限額は法人税や所得税の20%です。
適用期間は2022年4月1日から2024年3月31日までの期間内に開始する各事業年度です。
人材確保等促進税制
人材確保等促進税制とは新卒や中途採用による新規雇用者の給与支給額や教育訓練費額が前年度と比べて一定額以上増加していれば税額控除される制度です。
適用企業は青色申告している企業であり、最大20%の税額控除となります。
なお税額控除の上限額は法人税や所得税の20%であり、賃上げ促進税制との併用はできません。
適用期間は2021年4月1日から2023年3月31日までの期間内に開始する各事業年度です。
税制優遇措置を知らない事業者が多い
税制優遇措置の制度を聞いたことがあっても詳細まではわからない事業者が多く、事務所として付加価値の高いサービスを提供する機会になり得ます。
中小企業の経営者は身近な士業に相談する
中小企業経営者は顧問である税理士や会計士によく相談します。
しかし、事務所によっては税制優遇や補助金などが不得意な場合があります。
そして、顧問先が税制優遇について悩みを抱えている場合もあります。
事務所から積極的に制度について案内をしていなければ、「顧問先は税制優遇について不得意で専門ではない」と認識してしまうこともあり得ます。
その場合、顧問契約を結んでいてもほかの会計事務所に相談されてしまい、機会損失につながりかねません。
顧問先に積極的な案内をおこない、優遇税制を活用できるように相談を受けることで信頼感も深まり、さらに付加価値の高いサービス提供にもつながります。
税制優遇の周知で付加価値の高いサービスを提供
顧問先に税制優遇措置を周知することは、税制優遇を通じてさまざまなサービスを提供できます。
定期的な情報提供で機会創出
税制優遇や補助金、助成金が新設される、インボイス制度など法改正が頻繁におこなわれる中で、企業はひとつひとつの情報を押さえることは難しく、名称は把握できても詳細まではわからない事業者が増えています。
顧問先や新規顧客開拓の方法として定期的な情報提供をおこなうことで、相談を受けることや、財務支援をお願いされるなど機会創出につながります。
補助金・助成金支援
補助金や助成金が自社に合うものかがわからないものの、利用できれば利用したいと考えている企業がほとんどです。
顧問先や新規顧客に情報提供をおこなっていると、補助金や助成金の申請支援を依頼されることがあります。
とくに事業再構築補助金やものづくり補助金などの活用事例も多いため、積極的に情報提供をおこなうことで申請支援を依頼されやすくなります。
申請支援を通じて信頼されることで、新規顧客であれば顧問契約を締結できる可能性も高まります。
決算などの財務で経営サポート
顧問先が税制優遇措置として、賃上げ促進税制や人材確保等促進税制を活用する場合、従業員の給料を増額させる必要があります。
そもそも納める法人税額が少ない場合、給与などの支給額を増額することで固定費が増えてしまい、税制優遇のメリットがないどころか、資金繰りの悪化に陥る可能性もあるため、注意が必要です。
もし顧問先や新規顧客が税制優遇を検討していた場合、判断基準となる決算や資金繰りなどの財務支援を提案することで信頼や経営サポートにつながります。
顧問契約
税制優遇の周知は、会計事務所で提供している補助金・助成金支援サービスや決算・確定申告などの財務支援サービスを新規契約につながりやすくなります。
支援サービスを利用して会計事務所の信頼感が醸成されれば、顧問契約につながります。
顧問契約によって経営サポートや定期的な情報提供をおこなうことで、さらに付加価値の高いサービス提供が可能です。
財務支援システム「F+prus(エフプラス)」
会計事務所が、顧問先や新規顧客開拓によってさまざまな企業と関係構築する際に経営革新等支援機関推進協議会のサービスの活用をおすすめします。
月額3万円(税抜)で、最新情報などの知識習得や、実務支援、事務所のマーケティング支援、財務支援システム「F+prus(エフプラス)」をはじめとした財務支援サービスを利用でき、2022年9月時点で1,633の事務所にご利用いただいています。
F+prus(エフプラス)は決算書を活用して金融機関目線の格付診断が簡単にできるため、以下の悩みをもつ事務所におすすめです。
- 財務・資金調達支援を何から始めたらいいかがわからない
- 金融機関の融資の仕組みがわかりづらいため適切なアドバイスができない
- 決算書や返済内容を見ても適切なアドバイスできない
- 事務所で提供する財務支援が属人的なため、標準的な支援ができない
- 金融機関が求める事業計画書の作成ができない
顧問先や新規顧客に対して、「財務診断報告書」の作成や、金融機関が求める「事業計画書の策定」、「決算レポート」の作成も可能です。
F+prus(エフプラス)の活用方法
F+prus(エフプラス)は顧問先の決算書データや借入明細を取り込んで「財務診断報告書」を作成する機能があります。
作成した「財務診断報告書」は問題点を自動抽出してくれるため、顧問先に的確で迅速な財務コンサルティング業務をおこなえます。
自動抽出された問題点の解決策のひとつとして、金融機関から融資を受ける方法があります。
金融機関から受ける融資は金融機関が求める事業計画書を策定しなければなりません。
F+prus(エフプラス)は顧問先の財務診断から解決策の提示まで財務コンサルティング業務に役立つ機能が豊富です。
顧問先の抱えている課題の把握や、解決策に向けて事業計画書の作成や毎月の予実管理の活用もできるため、顧問先の満足度が高くなります。
また、金融機関に提出する事業計画書も金融機関が求める内容を作成できるため、審査も通りやすくなります。
F+prus(エフプラス)の導入事例
F+prus(エフプラス)をご利用いただいている会計事務所によると、「債務償還年数」や「自己資本比率」、「資金繰り状況」が自動で事業計画書に表示されるため、金融機関からもわかりやすいとのご評価をいただいています。
また、顧問先の決算報告の際にF+prus(エフプラス)で作成した「資金繰り改善シミュレーション」を見せたところ、すぐに財務改善をおこないたいと契約につながりました。
その後、金融機関へ協力依頼をしたら、すぐに承諾を得ることになり、迅速な提案から財務改善まで進められたという事例もございます。
元々、資金繰り改善や資金調達サポートなどはおこなっていたものの、会計データの取り込みが簡単で、適切な財務診断もおこなえるため、これからもF+prus(エフプラス)を活用していきたいという事務所もいらっしゃいます。
F+prus(エフプラス)は、月額3万円(税抜)で会計事務所の財務コンサルティング業務にご活用いただけます。
また無料トライアルとして14日間の機能体験も用意しております。
まとめ
事業者の多くは「賃上げ促進税制」や「人材確保等促進税制」などの税制優遇について詳細までわかっておらず、相談に乗ってほしいと考えています。
事務所から顧問先や新規顧客に積極的に周知することで、さまざまな付加価値の高いサービス提供につなげることが可能です。
補助金や助成金支援サービスや、決算などの財務支援サービスなどを通じて顧問契約を結ぶ事業者もいらっしゃいます。
まずは税制優遇を周知することで顧問先や新規顧客との接点をもつことから始めましょう。