東京都にあるYDK日本橋税理士法人は、開業からわずか3年で年商約1億円を達成し、6年目となる2025年には年商約2億円に到達する見込みです。
同事務所は財務支援にも注力しており、「トップ100事務所」を5年連続で受賞するなど、高い評価を得ています。
本記事では、YDK日本橋税理士法人の成長を支える「業務効率化」と「高付加価値サービスの提供」について、代表の山口晴啓先生とシニアマネージャーの志村一将氏にお話を伺いました。
YDK日本橋税理士法人はどのような事務所ですか?
YDK日本橋税理士法人(以下、「当事務所」としています)は、2020年1月に私(山口)が開業して6年目となります。
当事務所の売上高は、開業した2020年は約2,000万円、2022年は約1億円、2025年は約2億円(税理士業務が約1億円、付加価値業務が約1億円)です。付加価値業務の収入が多いことが特徴です。
スタッフ数(グループ合計)は20名(正社員13名、パートタイム7名)です。
開業後3年間はスタッフ3名が中心でした。その後はパートタイムのスタッフを中心に採用し、現在の売上高を達成しています。
当事務所の特徴のひとつは「1社複数名体制」です。税務会計や融資などの分野ごとに担当者を配置し、顧問先のさまざまな課題に対応しています。
開業3年で年商1億円を達成したポイントは何ですか?
当事務所が成長している主なポイントは以下の3つです。
- 業務の効率化
- 高付加価値サービスの提供
- スタッフの育成
業務の効率化
クラウド会計ソフトや格付ツールなどにより業務フローをデジタル化し、業務効率を向上させています。
付加価値サービスの提供
業務効率化で生まれた時間は、財務支援など高付加価値サービスに振り向けています。
スタッフの育成
労務や融資などのスキルアップに取り組んでいます。
業務効率化に取り組んだ効果は何ですか?
業務効率化に取り組むことで以下の効果・メリットがあると感じています。
月次決算の早期化、顧問先の経営改善
顧問先の月次決算を早期化でき、業績が改善する顧問先が増えました。顧問先が経営状態を迅速に把握でき、早期に改善策を実行できるためです。
顧問先の売上高が増えると税務顧問収入も増加します。
付加価値サービスの拡充
付加価値が高いサービスに注力でき、顧問先あたりの単価アップ、同業事務所との差別化が可能となります。またスタッフ1名あたりの売上高が増え、給与の引き上げをおこないやすくなります。
長時間勤務の削減
当事務所では、平日は19時までにほとんどのスタッフが退勤しており、土日に出勤するスタッフもほとんどいない状況を実現しています。
業務効率化に取り組むときのポイントは何ですか?

クラウド会計ソフトを導入した業務効率化のポイントは以下のとおりです。
顧問先との取り決め
データ連携しやすくするルールを顧問先と決めることです。主な内容は以下の3つです。
- 経費はクレジットカード払い
- 現金出納帳はエクセルで作成
- やむを得ない紙証憑はクラウド経費管理ソフトを活用
クラウド会計による月次作業の効率化
月次の入力作業を削減することです。
当事務所では、クラウド会計ソフト「マネーフォワード」を利用しています。本ソフトは銀行取引・クレジットカードなどの取引を自動で取り込むことができます。「マネーフォワード」の資料によると、本ソフトの導入後、従来の手入力作業の68%を削減できます。
データ連携による手入力の削減
紙証憑をデジタル化することです。
当事務所では、クラウド経費管理ソフト「STREAMED」を利用しています。本ソフトは領収書などを自動で読み込み・仕訳できます。
付加価値サービス(財務支援)の拡充
業務効率化とともに、財務支援など高付加価値サービスに力を入れることです。効率化と高付加価値化により生産性が向上します。
付加価値サービス(財務支援)に取り組むメリット・成果は何ですか?
税理士事務所として選ばれ続ける理由は、顧問先の経営者に寄り添い、話を聞き、伴走し、財務で安心を抱いていただくことだと考えています。財務支援に取り組むことで、以下のメリット・成果が出ています。
単価アップ・顧客満足度アップ・新規顧客紹介
顧問先が成長することで、事務所の売上高も増えます。顧問先から感謝され、スタッフのモチベーションも高まります。
財務支援の成果事例
当事務所がおこなった財務支援の代表的な事例と成果は以下のとおりです。
(顧問先の改善事例)
- 債務超過の解消:売上高は微増だが、債務超過約9,000万円を3年で解消見込み
- 借入のスリム化:経営者保証と不動産担保の解除、借入5本を2本へ簡素化
- 当座貸越枠の開設:5,000万円以上の当座貸越枠を開設
(当社における成果)
- M&A支援報酬
- 事業承継対策報酬
財務支援で活用している主なツールは何ですか?
当事務所が活用している主なツールは以下のとおりです。
会計|マネーフォワード
クラウド会計ソフトとして、「マネーフォワード」を利用しています。本ソフトは以下のメリットがあると感じています。
- 顧問先のバックオフィス業務全般など連携機能が豊富
- 操作性が良く、入力作業効率が高い
- エラーが少ない
格付確認と振り返り|5FOCUSレポート
顧問先の現状確認や振り返りの指標として、「5FOCUSレポート」を活用しています。本ツールは経営革新等支援機関推進協議会が提供する格付算定システムであり、以下のメリットがあると感じています。
- 金融機関と同水準の格付算定が可能
- 約5分で作成できる簡易な操作性
- 顧問先が視覚的にわかりやすい表示

【参考】5FOCUSレポート(サンプル)|経営革新等支援機関推進協議会
事業計画策定|F+prus(エフプラス)
事業計画策定ツールとして、「F+prus」(エフプラス)を活用しています。本ツールは経営革新等支援機関推進協議会が提供する財務分析・事業計画策定支援ツールであり、以下のメリットがあると感じています。
- 適正な借入数値、やるべきメニューなどを自動抽出
- 約1時間で5年間の計画を策定可能
- 格付や債務償還年数の変化を表示するなど顧問先が理解しやすい
【参考】事業計画書(サンプル)|経営革新等支援機関推進協議会
財務支援の進めかた・STEPを教えてください
当事務所における財務支援の流れ・STEPは以下のとおりです。初回面談時に以下のSTEP1からSTEP3を検討し、STEP4(月次)とSTEP5(年次)のフォローアップをおこないます。
- STEP1:現状把握(格付の確認)
- STEP2:財務目標と事業計画の作成
- STEP3:アクションプラン策定
- STEP4:毎月の予実管理
- STEP5:決算の振り返り
STEP1:「5FOCUSレポート」で現状把握(格付の確認)
「5FOCUSレポート」を利用し、顧問先の直近決算に基づいた現状の格付を算出します。
格付がその他要注意先である場合は、今後の借入が難しくなる可能性があるなど経営者に危機感を持ってもらい、行動を促します。
STEP2:「F+prus」で財務目標と事業計画の作成
「F+prus」を利用し、財務改善の目標と事業計画を作成します。顧問先の格付が5年間で正常先となる対策を顧問先とともに検討します。
事業計画の作成において重視するポイントは、経費の見直しを中心として改善することです。「売上高が横ばいであっても、格付が改善できる」と顧問先に理解してもらうことが大切だと考えています。
STEP3:アクションプランの策定
計画を達成するために必要なアクションプランを、以下の3つの観点から作成します。
- 営業(売上向上策)
- PL
- BS
STEP4:「bixid」で予実管理面談
「bixid」を利用し、アクションプランの実施状況、達成状況などを相互に確認し、改善すべき点があればアドバイスをおこないます。
顧問先と双方向でコミュニケーションすることで、顧問先の自律的な行動へつながります。
STEP5:「5FOCUSレポート」で振り返り
「5FOCUSレポート」を利用し、決算数値の改善結果を確認、必要に応じて計画を修正します。
顧問先の改善をともに喜ぶことで顧問先の満足度が高まり、新規顧客紹介につながります。
今後の展望を教えてください
当事務所の長期的な目標は売上高10億円です。この目標を達成するため、スタッフ数50名から100名を動かせる組織づくり、経営理念の構築、事業計画の実行などに取り組んでいます。
YDK日本橋税理士法人の事例からの学び
YDK日本橋税理士法人様は、クラウド会計ソフトをフル活用した業務効率化、財務支援など高付加価値サービスの提供による事務所の差別化に取り組んでおり、参考としたい会計事務所様も多いでしょう。
YDK日本橋税理士法人様を成功事例として、経営革新等支援機関推進協議会がおすすめするポイントは次の2つです。
「業務効率化」で顧問先・税理士事務所ともにWIN-WIN
業務効率化により財務支援に取り組むメリットをまとめると以下のとおりです。
- 顧問先の成長を支援できる
- 顧問先の満足度と事務所スタッフのモチベーションが高まる
- 事務所の収入が増加する
「経営支援」ができる税理士事務所が生き残る
税理士事務所が顧問先から選ばれ続けるためには、財務改善、事業承継、相続などの付加価値サービスの提供が不可欠です。税務顧問や決算申告はサービス内容の差別化が難しく、高水準の報酬を得にくい状況にあるためです。
YDK日本橋税理士法人様も活用している「F+prus」や「5FOCUSレポート」は、忙しい税理士事務所でも簡単に扱えることに加え、高い付加価値を提供できるため、事務所の強みとなるツールです。
さらに、経営革新等支援機関推進協議会が提供する実務体験型プログラムを活用することで、スタッフの財務支援スキルを体系的に強化することができます。
財務支援の拡充や事務所の差別化に課題を感じている会計事務所様は、全国で約1,700事務所が利用する経営革新等支援機関推進協議会へ、ぜひお気軽にご相談ください。















