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新事業進出補助金が公募開始|税理士からの説明ポイントを補助金比較で解説【2025年4月公募開始】

新事業進出補助金が公募開始|税理士からの説明ポイントを補助金比較で解説【2025年4月公募開始】

2025年から新たに創設された「中小企業新事業進出補助金」の概要が経済産業省から発表されました。
本補助金は中小企業が新規事業へ進出し成長するための投資が対象となり、補助率は2分の1、補助上限額は9,000万円であり、2025年4月に公募要領が発表される予定です。

2025年は有名補助金の改正や創設が多く、本補助金についても注目する顧問先がいると思われます。

本記事では、2025年注目の補助金のうち、中小企業新事業進出補助金の概要と税理士から説明するときのポイントについて、そのほかの有名補助金との比較を交えて解説します。

中小企業新事業進出補助金とは

中小企業新事業進出補助金(以下、新事業進出補助金)とは、中小企業が既存事業と異なる新たな分野へ進出し新たな顧客と取引することを通じて、付加価値の向上と賃上げを実現するための投資費用の一部が補助される新設の制度です。
新事業進出補助金の補助率は2分の1、補助上限額は2,500万円から9,000万円です。(従業員数により異なります)
また補助対象経費として建物費が含まれます。

中小企業新事業進出補助金は2025年4月に公募要領が発表され、2027年3月までに約6,000件の採択を予定しています。

【参考】中小企業新事業進出補助金チラシ|中小企業庁

新事業進出補助金を顧問先へ説明するときのポイント4つ

新事業進出補助金は新設の補助金で、2025年4月に公募要領が公表されます。
経済産業省が発表した新事業進出補助金の概要チラシの情報をもとに、本補助金について税理士から顧問先へ説明するときのポイントをまとめると次のとおりです。

【参考】中小企業新事業進出補助金チラシ|中小企業庁
【参考】ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の概要(2024年12月18日)|中小企業庁
【参考】事業再構築補助金 公募要領(第13回)1.0版(2025年1月)|事業再構築補助金事務局

新事業進出補助金はより高い成長率と賃上げが必要

新事業進出補助金は、①付加価値額の年平均成長率+4.0%以上の増加と②給与支給総額の年平均成長率2.5%以上の増加が求められます。
下記のとおり、新事業進出補助金はほかの補助金制度に比べてより高い成長率を求められる可能性があります。(各補助金の補助枠などにより異なります)

【新事業進出補助金の付加価値額・賃上げ要件】

新事業進出補助金の付加価値額・賃上げ要件

最低賃金近傍の従業員が多い企業はものづくり補助がより高い補助率

新事業進出補助金の補助率は2分の1であり、補助率を引き上げる特例の有無は発表されていません。
新事業進出補助金以外の補助金制度においては、次のとおり補助率を引き上げる特例が設けられており、顧問先の事業計画によっては、新事業進出補助金の補助率がほかの補助金の補助率を下回る可能性があります。

  • ものづくり補助金:「最低賃金引き上げ」により補助率を3分の2へ引き上げ
  • 事業再構築補助金:「短期大規模賃上げ」により補助率を3分の2へ引き上げ

ものづくり補助金における「最低賃金引き上げ」による補助率引き上げの特例とは、一定期間において3か月以上にわたり地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員数が全従業員数の30%以上となっている企業を指します。

事業再構築補助金における「短期大規模賃上げ」とは、補助事業期間内に①給与支給総額の年平均成長率が+6.0%以上の増加、②事業場内最低賃金について年額+45円以上の引き上げが要件です。

新事業進出補助金の補助率】

新事業進出補助金の補助率

新事業進出補助金は再構築補助金より補助上限額が大きい可能性がある

新事業進出補助金の補助上限額は2,500万円から9,000万円です。(従業員数により異なります)
新事業進出補助金の補助上限額をほかの補助金と比べると、新事業進出補助金のほうが大きくなる可能性があります。
補助対象経費は補助金制度により異なるため、顧問先の投資内容を把握し、比較検討する必要があります。

【新事業進出補助金の補助上限額(括弧内は賃上げ特例適用時)】

新事業進出補助金の補助上限額(括弧内は賃上げ特例適用時)

新事業進出補助金は収益納付なし

新事業進出補助金は収益納付を求められません。
ものづくり補助金についても2025年から求められないこととなりました。
ただし事業再構築補助金(13回公募)については収益納付の定めがあります。

新事業進出補助金の補助率・補助金額・補助対象経費

新事業進出補助金の制度概要をまとめると次のとおりです。現時点においては公募要領が未発表であり、詳細については今後明らかとなる予定です。

【参考】中小企業新事業進出補助金チラシ|中小企業庁

新事業進出補助金の補助率

新事業進出補助金の補助率は2分の1です。

新事業進出補助金の補助金額

新事業進出補助金の補助金額は上記のとおり2,500万円から9,000万円です。補助上限額は従業員数によって異なり、大幅賃上げ特例に該当する企業は補助上限額が引き上げられます。

なお、補助下限額は750万円です。

新事業進出補助金の大幅賃上げ特例の要件

新事業進出補助金における補助上限額引き上げ特例の適用を受けるためには、補助事業終了時点で次の①と②の2つの要件の両方を満たすことが必要です。

新事業進出補助金の補助上限額引き上げ特例の要件
  • 事業場内最低賃金を年額+50円以上の水準で引き上げ
  • 給与支給総額を年平均+6%以上の増加

この①と②の条件のいずれかが未達となった場合、補助上限額引き上げ分の補助金の返還を求められる可能性があります。

新事業進出補助金の補助対象経費

新事業進出補助金の補助対象となる経費は「建物費」「構築物費」「機械装置・システム構築費(リース料を含む)」などのハード購入費用に加えて、「運搬費」「技術導入費」「専門家経費」「広告宣伝・販売促進費」なども対象となります。
新事業進出補助金は、事業再構築補助金において対象外である構築物も補助対象となります。

【新事業進出補助金の補助対象経費(建物費など抜粋)】

新事業進出補助金の対象となる5つの要件

新事業進出補助金の要件として、次の5つを満たす事業計画書の作成が求められます。

  1. 新製品または新サービスを新規顧客へ提供することを通じた企業の成長・拡大
  2. 補助事業終了後3年間から5年間で付加価値額が年平均成長率+4.0%以上増加
  3. 従業員1名あたり給与支給総額の年平均成長率が、補助対象事業を実施する事業所の地域別最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上
    または給与支給総額の年平均成長率が+2.5%以上増加
  4. 補助事業終了後3年間から5年間、補助対象事業を実施する事業所の事業場内最低賃金が、毎年、地域別最低賃金より30 円以上高い水準
  5. 補助事業終了時点までに次世代育成支援対策推進法に定める一般事業主行動計画を公表など

なお上記要件のうち③と④の賃上げ要件が未達成となった場合、未達成率に応じた補助金返還を求められる可能性があります。

【参考】中小企業新事業進出補助金チラシ|中小企業庁

新事業進出補助金はいつから?スケジュールは?

新事業進出補助金のスケジュールについては、今後発表予定です。公募要領は2025年4月に公開予定であり、関心をもっている顧問先に対しては早めの準備を提案しておきましょう。

新事業進出補助金の主な手続きは次のとおりと発表されています。

  • GビズIDプライムアカウントの取得
  • 公募開始
  • 交付候補者決定(採択)
  • 交付申請・交付決定
  • 確定検査
  • 補助金請求
  • 補助金の受給
  • 事業化状況報告、知的財産等報告

【参考】中小企業新事業進出補助金チラシ|中小企業庁

補助金情報の提供で事務所をアピール!経営革新等支援機関推進協議会がサポート

新事業進出補助金は中小企業が新規分野へ進出し成長することを支援する補助金です。補助対象経費に建物費が含まれ、補助上限額が9,000万円と高額であるなどの魅力があり、関心をもつ顧問先も多いでしょう

また2025年は有名補助金の改正や、新たな補助金の創設がおこなわれています。事業再構築補助金の13回公募(最終回)、省力化投資補助金の改編、成長加速化補助金の創設などです。

顧問先の関心が高まっている機会を活かして、税理士から顧問先への補助金・助成金・税制優遇制度などの情報発信を積極的におこない、顧問先支援業務の拡充につなげましょう。

経営革新等支援機関推進協議会は会計事務所様が取り組む顧問先支援業務をトータルでサポートしています。当協議会が提供している主なサービスの例は次のとおりです。

  • 顧問先や金融機関がわかりやすい財務分析ツール『F+prus』(エフプラス)
  • すぐに顧問先へ発信できる販促素材の提供
  • 補助金・助成金活用の提案スキルが身につく、スタッフ向け動画研修

付加価値業務の推進をお考えの会計事務所様は、全国約1,700事務所が参加する経営革新等支援機関推進協議会へお気軽にご相談ください。

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経営革新等支援機関推進協議会は、株式会社エフアンドエムが運営する会計事務所向けの支援団体です。2014年4月に設立し現在では、全国1700以上の会計事務所が正会員として参画しており、中小企業支援制度についての勉強会・システム提供を通じて全面的にバックアップしている。