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税理士事務所における採用力の強化策を解説【アンケート結果】

税理士事務所における採用力の強化策を解説【アンケート結果】

人手不足と大型化が続く税理士事務所経営で生き残るためには、従業員の新規採用を有利にすすめる「採用力」の強化が必要です。

全国1,700事務所が参加する「経営革新等支援機関推進協議会」のアンケート結果をもとに、税理士事務所における採用活動と採用力の強化策を解説します。

税理士事務所の採用予定と採用職種

経営革新等支援機関推進協議会が2023年におこなったアンケートによると、採用予定がある税理士事務所は全体の67%です。
採用予定の職種をみると、税理士資格者、監査担当者、入力・事務スタッフともに採用予定があります。

税理士事務所における採用予定グラフ

従業員数規模別でみると、規模が大きくなるほど監査担当者を募集している割合が高くなっています。
1名事務所においては入力・事務スタッフの募集が62.5%を占めています。
従業員数2名〜20名までの事務所においては、税理士資格者と監査担当者の募集が60%〜80%です。
21名以上の事務所においては、税理士資格者を募集している割合が減り、監査担当者の募集が52.6%となっています。

従業員数別の採用予定職種

採用ツールはハローワークと一般求人媒体の併用

税理士事務所が採用時に利用する求人媒体をみると、少人数事務所は「利用なし」が最も多く、従業員数10名までの事務所はハローワークを利用しています。
事務所が大型化するにつれて、ハローワークと一般求人媒体とを併用する割合が高くなり、従業員数10名超の事務所では、複数の媒体を併用することが半数以上を占めています。

税理士事務所の求人方法

利用する求人媒体としては、ハローワーク45%に続き、リクルートエージェント15%、マイナビ12%となっています。
採用予定の事務所のうち72%(重複回答)がハローワークを利用しており、従業員数が多い事務所では複数の求人媒体を併用する傾向にあります。

税理士事務所の採用で利用する求人媒体

税理士事務所の採用コスト、月3万円超が約3割

採用コストは従業員数規模が大きくなるほど増加します。
従業員数11名〜20名の中規模事務所では、月5万円が25%、月10万円以上の事務所についても25%となっています。

従業員数21名以上の事務所においては、月5万円以上を投じている事務所の割合が63%に上ります。

1ヶ月あたりの採用コスト

税理士事務所における採用上の悩みは共通「求める人材が来ない」

採用時における税理士事務所の課題は「求める人材がこない」(33.3%)がトップです。次いで「応募が来ない」(16.7%)となっています。
この2つの課題は事務所の規模によって大きく変わることはなく、共通の課題であるといえます。

中でも従業員数11名〜20名の中規模事務所においては「採用コストが高い」(32.0%、全体では15.7%)が目立っており、採用コストが負担となっています。

税理士事務所の採用における課題(重複回答)

税理士事務所が二極化する時代、淘汰される時代

税理士業界に就労している人の25%が、従業員数30名以上の大型事務所へ集中しています。また大型事務所は採用活動にコストをかけやすく、中小事務所が採用面において不利となるといわれています。

このため、人手が足りない小規模事務所は、業務範囲や顧問先の見直しなどを迫られることがあり、存続をあきらめる事務所が増える可能性もあります。

2023年の「休廃業・解散企業」動向調査をみると、業種別では、税理士事務所の休廃業・解散が全業種でトップの増加率です。また、休廃業・解散率は全業種のうち4番目の高さであり、税理士事務所が淘汰・再編される時代が来ているといわれています。

採用に費用をかけられる大手事務所が有利となる点はあるものの、「事務所が求める人材が来ない」「応募が来ない」という悩みは、事務所の規模を問わず共通です。

人手不足が続く会計業界においては、人材採用が事務所の生き残りを左右すると予測されています。

税理士事務所の「採用力」強化策7選

税理士事務所が採用を有利にすすめるための主な強化策は次のとおりです。

事務所に適した、事務所が欲しい人物像の明確化

まず、事務所が求める人物像を明確化します。事務所によって方向性や価値観、所内のコミュニケーションの濃淡などが異なるためです。
自事務所に適した人材の特性を把握するためには、ベテラン従業員の特性診断が有効であり、自事務所に馴染む人の特性を把握しやすくなります。

また、採用試験に特性診断を導入することで、自事務所に合う人であるかを確認することができます。

事務所の魅力、強み、価値観、考え方の発信

事務所の魅力、顧問先から評価されているポイント、事務所が大切にする価値観などを応募者へ明確にアピールします。

同業事務所との違いが不明確であると、応募者が、他事務所と比較しにくくなる可能性が高くなるためです。

ホームページの開設、SNSの活用

ホームページを開設していない事務所は、採用において圧倒的に不利です。
応募者の大半がインターネット上の情報を確認するため、ホームページがない事務所は「時代に合っていない=将来性がない税理士事務所である」とイメージされる危険性があります。

また、ホームページで事務所の価値観や方向性を説明する、SNSで業務風景やスタッフ紹介を発信するなどにより、応募を検討している人が、入所後の自身の姿を具体的にイメージしやすくなります。

入社後ギャップを減らす

採用資料やホームページなどの募集内容と、入社後の実態とが大きく異なる場合、従業員が入社間もなく退職する危険性が高くなります。
早期離職の主な原因は、入社前のイメージと入社後の実態の違いに戸惑い退職を決意する『入社後ギャップ』であるといわれています。
特に給料や残業時間については実態を伝えておくことで、入社後ギャップを軽減しやすくなります。

未経験者が作業しやすい環境づくり

入力・事務スタッフの募集においては、未経験者であっても作業しやすい環境づくりが重要です。

作業内容を標準化し、細かな点についてもマニュアル化することで、未経験者・転職者ともに作業時のストレスが緩和されます。

受験をサポートする体制

科目合格者の採用においては、受験をサポートする体制の事務所であることが重要です。採用時にアピールしたい点は次の3つです。

  • 科目合格者の在籍
  • 担当件数、残業時間の抑制
  • 受験をサポートする体制

税理士試験の受験予定者は不安と戦いながら業務にあたっているため、受験生が在籍していると入社後の不安が和らぎます。

受験時間を確保するためには、担当件数や残業時間を抑制することが非常に重要です。残業時間については月平均20時間以内が目安であるといわれています。
残業時間を減らす取り組みをしている場合は応募者へアピールしましょう。

受験サポートの取り組みは、業務量の抑制だけではありません。
税理士試験受験をサポートする取り組みとして、「会議室を勉強部屋として開放」「試験休暇」「大学院などへの通学費用補助」などを導入している事務所が多くみられます。

スキルアップと育成は教育研修制度の充実

税理士資格者や監査担当者の募集においては、給料などの処遇だけでなく、自事務所においてチャレンジできる分野やスキルをアピールします。

業務の幅広さ、より高い専門性を身につけることができる事務所は、応募者にとって魅力的であると好感をもちやすくなります。

従業員のスキルアップのため、研修制度を導入している事務所は多いです。
事務所内研修の場合、講師役となる従業員の負担、従業員に応じた研修プログラムの準備と実施が重荷となることもあるでしょう。

業務で多忙なスタッフが継続的にスキルアップしやすい動画研修カリキュラムを活用することで、少ない負担で体系的なスキルアップをサポートできます。

税理士事務所の採用・育成は協議会がパッケージでサポート

大型事務所に負けない事務所となるためには、採用強化・従業員のスキルアップが必須です。

従業員の即戦力化〜新たなサービス提供のためのスキルアップまで、税理士事務所における人材育成は、経営革新等支援機関推進協議会がトータルでサポートします。

経営革新等支援機関推進協議会は『情報収集・人材教育』『顧問先への情報提供・情報発信』『実務支援ツールの提供』『顧問先への回答サポート』など、豊富なサービスのすべてを月額30,000円(税抜)で利用可能です。

事務所の収益化や人材育成についてのお悩みは、全国1,721事務所が利用する経営革新等支援機関推進協議会へお気軽にご相談ください。

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音峯朱里