会計事務所支援ブログ

会計事務所の担当件数の考え方とは

会計事務所の担当件数の考え方とは

会計事務所の抱える担当件数は、どのくらいが適切なのでしょうか。

実はコロナ禍で顧問先数が増えた会計事務所は多くあります。

1人当たりが抱えられる顧問先数を増やしていくにはどのようなアプローチが効果的なのでしょうか。

本記事では、会計事務所の平均顧問先数や、コロナ禍での変遷、顧問先数を増やすための施策について解説します。

会計事務所の顧問先数(担当件数)平均は?

会計事務所の顧問先数平均は、法人相手が30〜40件、個人事業主相手が10〜20件といわれています。

また、監査担当者1人当たりの担当件数目安は、およそ20件~30件です。この件数を超えるようなら、業務量が多すぎて、キャパシティオーバーするかもしれません。

コロナが税理士業界に与えた影響として、「顧問先の減少」「補助金・給付金・財務支援の案件の増加」などがあります。

記帳代行をメインとする会計事務所においては、市場の変化に伴う顧問先のニーズに対応できず顧問先が減少しています。

一方で、コロナ対策として数多くの支援施策がありますが、補助金・給付金・財務支援などを柔軟に対応してきた会計事務所では顧問先が増えています。

コロナ禍で顧問先数はどう変化したか

「経営革新等支援機関推進協議会 2021全国一斉調査アンケート結果」によると、コロナ禍(2022年4月)以降で「顧問先の増減数」は以下のように変化しました。

顧問先の増減数

顧問先数が増加した事務所:62.8%

顧問先数が変わらない事務所:31.5%

顧問先数が減少した事務所:5.7%

6割もの事務所が「顧問先数が増えた」と回答しています。逆に減少した事務所はわずか5.7%でした。これは、コロナ禍で売上が減少した企業が増えたことに起因します。

実際に、同調査で「コロナ禍以降に顧問先から多くの相談を受けたもの」についての回答結果は、以下の通りでした。

顧問先からの相談内容

1位…事業再構築補助金(約425回答)

2位…コロナ融資関連(約375回答)

3位…小規模事業者持続化補助金(約165回答)

これらの補助金・融資は、いずれもコロナ禍での売上減少を支援する、事業転換を図るためのものです。コロナ禍で、補助金関連の企業ニーズが増えたことを背景に、顧問先数が増えたと考えられます。

売上高との関係性

会計事務所の売上は「1人当たりの顧問件数 × 従業員数 × 単価」で決まります。

売上を高めるためには、以下のポイントが大切となります。

売上を高めるポイント

抱えられる顧問先数を増やす

従業員数を増やす

単価を上げる

コロナ禍で顧問先が増えたために、売上が伸びた事務所も多いでしょう。

しかし、1人当たりの抱える担当件数が増えたことで、従業員への業務負担が集中するようになりました。

1人当たりがより多くの担当件数を抱えるためには、業務を効率化することで、キャパシティを広げることが効果的です。

あるいは、従業員数を増やすために新たな人材を雇う、サービスの付加価値を高めて単価アップを狙うといいでしょう。

会計事務所の売上は「1人当たりの顧問件数 × 従業員数 × 単価」で決まる

アフターコロナに顧問先数はどうなる?

アフターコロナに顧問先数はどうなる?

コロナ関連の倒産は毎月100件以上の高水準で推移しています。

資金繰り支援として活用された「ゼロゼロ融資」の副作用として過剰債務を生んでいます。

コロナ関連の融資を得ながらも息切れするケースも散見され、コロナ破綻は引き続き高水準で推移する可能性が高い。

「今は豊富に顧問先があるから」と安心せず、アフターコロナを見据えて、新規顧客を開拓していく必要があります。

顧問先数(担当件数)を増やす4つの方法

では、具体的な対策として顧問先数をどのように増やせばいいのでしょうか。

いくつかのアプローチを解説します。

従業員の育成

従業員の業務集中や、人手不足を解消するためには、即戦力人材の登用が望ましいです。

しかし、人気のある即戦力人材は、給与や福利厚生など待遇面の充実している大手会計事務所へ流れがちです。獲得競争は厳しくなっています。

人手不足の効果的な解決策は「従業員の育成」です。

すでに勤務している従業員や、経験の浅い転職者をスキルアップさせれば、生産性を高め、より多くの顧問先を抱えられます。

しかし、従業員の育成環境まで手の回っていない会計事務所がほとんどです。

Mikatus(ミカタス)株式会社が2020年11月におこなった「税理士業界における人材・採用・教育に関する実態調査」によると、従業員の学習環境について、「各自の自習に任せている」と回答した会計事務所が約4割にのぼりました。

事務所内の負担を抑えつつ、従業員を育成するためには、外部の教育カリキュラムを導入することが重要です。

経営革新等支援機関推進協議会アカデミー(実務体験型プログラム)」は、補助金・公的制度・金融・財務知識をイチから学べます。

カリキュラムは「補助金・公的制度コース」・「金融・財務コース」・「事業承継コース」・「事務所力強化コース」に分かれており、知識の習得から実務の実践まで、短期間で修了可能です。

補助金・公的制度コースの例
  • 事業再構築補助金
  • ものづくり補助金
  • 小規模事業者持続化補助金
  • 優遇税制

新サービス提供による営業力強化

会計事務所の基本的なサービスは、「税務・会計業務」です。

主に記帳代行や給与計算、決算申告書・確定申告書作成をおこないますが、どの会計事務所も似たサービス内容となっていました。これでは他の事務所と差別化できません。

新サービスを展開することで、営業力の強化を目指してください。

具体的には、「優遇税制支援」「補助金支援」「財務支援」「事業継承支援」などのサービスを追加すれば、提案の幅を広げられます。

しかし新サービスを増やす障壁となるのが、「実務未経験」や「専門知識ゼロ」といった課題です。

経営革新等支援機関推進協議会」は、実務未経験・専門知識ゼロから対応できるまでトータルサポートをしています。たとえば顧問先の資金繰り・資金調達支援の場面においては、財務支援システムである「F+prus」を提供しています。

実務支援による業務効率化

忙しい中、手作業で実務を進めていると、ミスが起こりがちです。

特に会計事務所は顧問先のあらゆる数字を扱うため、計算ミスに気をつけなければなりません。

特にエクセル管理は関数に不具合があると、すべての数値がズレてしまいます。また、関数の知識・スキルがある従業員でないと、修正もかけられません。

ITシステムを導入すれば、一部の実務を自動化して業務効率化を図れます。

エクセルのような属人化も起こらず、ミスを減らせます。あまった時間で、顧問先とのコミュニケーションや部下の指導といった、より重要な業務に割くことが可能です。

F+prus」では、決算書を活用して金融機関目線の格付け診断が誰でも、簡単にできます。主な機能として、以下を搭載しています。

F+prusの主な機能
  • 決算書データや借入明細から企業の借入における問題点を抽出する「財務診断報告書」
  • 資金調達時期や金額の算定、キャッシュフローシミュレーションを交えた「事業計画の策定」
  • 財務と事業の関係性がわかりやすく見える化できる「決算レポート」

マーケティング施策での顧問先獲得

新サービス展開とのかけ算で、相乗効果を発揮するのが「マーケティング施策」です。

企業ニーズを高め、喜ばれる提案をおこなうために、公的制度を案内するパンフレットの活用や、有益な情報を顧客に届けるメールマガジン・動画の配信を実施してみてください。

まとめ

会計事務所の顧問先数は、コロナ禍でも増やすことができます。

しかし、従業員に業務が集中することで、生産性が低下しかねません。

売上を伸ばすためにも、1人当たりが抱えられる担当件数を増やしていくことが大切です。従業員のスキルアップや新サービスの提供、ITシステムでの業務効率化によって、経営改革を目指してください。

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経営革新等支援機関推進協議会
経営革新等支援機関推進協議会は、株式会社エフアンドエムが運営する会計事務所向けの支援団体です。2014年4月に設立し現在では、全国1500以上の会計事務所が正会員として参画しており、中小企業支援制度についての勉強会・システム提供を通じて全面的にバックアップしている。