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税理士の独立は厳しい?顧問先に選ばれる税理士となる方法とは

税理士の独立は厳しい?顧問先に選ばれる税理士となる方法とは

税理士となっても将来は厳しいといわれることがあります。主な理由としてDX化による需要の減少があげられていますが、一方で多くの顧問先から選ばれている会計事務所があります。

本記事では、顧問先から選ばれる事務所となる方法について解説します。

税理士は食えない?独立開業した税理士の平均像

税理士は食えないといわれることがありますが、税理士の平均年収は746.6万円となっており、一般的な収入よりも高水準です。特に自ら会計事務所を経営する開業税理士の中には、平均年収を大きく超える人もいるといわれています。

税理士事務所の平均売上高は約5,000万円

税理士事務所の平均売上高は約5,000万円です。経済センサスにおける税理事務所1事業所あたりの平均売上高は4,926万円となっています。

【引用】2021年経済センサス|e-Stat事業所に関する集計 産業横断的集計 売上(収入)金額等 第7-1表

小人数税理士事務所の平均売上高は約2,000万円から5,000万円

税理士事務所の売上高は従業員数によって大きく異なります。従業員数別の平均売上高は次のとおりです。

  • 従業員数4名以下の税理士事務所   2,087万円
  • 従業員数9名以下の税理士事務所   5,553万円
  • 従業員数20名以下の税理士事務所 1億3,008万円

従業員1名あたりの売上金額の平均値は936万円となっています。

税理士事務所従業員規模別1事業所あたり売上金額従業員1名あたり売上金額
平均4,926万円936万円
1名から4名2,087万円888万円
5名から9名5,553万円871万円
10名から19名13,008万円1,008万円
20名から29名22,353万円957万円
30名から49名(データなし)(データなし)
50名以上118,935万円1,266万円

【引用】2021年経済センサス|e-Stat

税理士1名あたり売上高は約1,000万円で伸び悩む

上記のとおり、従業員1名あたりの売上高は約1,000万円です。税理士1名で担当可能な顧問先数には限界があるためです。

一般的な税理士1名あたりの担当顧問先数は30社から50社前後といわれています。
税理士事務所の中には記帳代行などの定型業務を外注化するなどによって、税理士1人で50社から100社を担当している事務所があります。

税理士業界は拡大市場だが競争が激しい

税理士業界の将来は厳しいなどの流言がありますが、税理士事務所市場は拡大が続いています。

税理士業界は市場規模が拡大

経済センサスによると税理士事務所の市場規模は1兆3,772億円であり、大きく拡大しています。

【引用】
2021年経済センサス|e-Stat表番号7-1
2016年経済センサス|e-Stat表番号5
2012年経済センサス|e-Stat表番号2-1

増加する税理士数、減少する企業数

税理士数は増加が続き80,000名を超えている一方で、主な顧問先となる中小企業の数は3,364,891企業(非1次産業のみ)にまで減少しています。

【引用】中小企業の企業数・事業所数|中小企業庁
【引用】税理士制度|国税庁より作成

税理士業界で生き残るポイントは事務所の差別化

税理士業界を簡単にまとめると、成長市場だが同業者が増加し競争が激しくなっている、といえます。
多くの税理士事務所と同じ業務のみでは顧問先の獲得が難しいため、ほかの事務所とは異なる差別化戦略が必要となります。

税理士事務所における差別化の方向性としては次の2つが代表的です。

  • 特定の分野に特化し、高い専門性をもつ事務所
  • 税務・会計業務を軸とし、MASや補助金申請支援などの付加価値業務を提供する事務所
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独立開業を後悔しない!独立後に大切なポイント3つ

多くの同業事務所が存在する税理士業界においては、新たな顧問先をいかに獲得するかが重要です。顧問先からの解約申し出や顧問先の倒産・廃業など顧問先が減る可能性もあるため、新たな顧問先を開拓し続けてゆく必要があります。

顧問先を獲得し、顧問先のニーズに応え、顧問先の満足度が高いサービスを提供し続けるためのポイントは以下の3つです。

営業を厭わない

開業税理士は所属税理士(勤務税理士)と異なり、自ら顧問先を獲得するための営業活用が必須です。

顧問先を新たに見付けるための主な方法は次のとおりです。

  • 自事務所からの広告宣伝(販促ツールやホームページ、SNSの活用など)
  • 既存の顧問先からの紹介
  • 金融機関からの紹介
  • 講師となるセミナーへの出席者
  • 税理士紹介サービスの利用

新規顧客を見つける重要なルートである既存の顧問先からの紹介や、金融機関から顧問見込み先を紹介してもらうときのポイントは次の3つです。

  • 事務所の特長、得意分野を明確化
  • 実績を積む
  • 不慣れな業務であっても推進できるよう相談できる相手を見つけておく

【関連記事】税理士として独立開業!成功する税理士がやっている開業のポイント

効率を重視する

限りがある事務所のスタッフ数で税務・会計業務以外に業務を推進するためには、差別化が難しい定型業務を効率化する必要があります。効率化の例は次のとおりです。

  • 会計事務所で多く採用されている財務分析ツールを導入する
  • 記帳代行業務をアウトソーシングする

特にインボイス対応で複雑化する記帳代行業務については外注化を検討する価値があります。
税理士事務所向けに記帳業務を代行するサービスが多く提供されています。中でも経営革新等支援機関が提供する『おくるダケ記帳』は、紙の領収書を送るだけで対応可能であるなど業務削減効果が高いサービスです。

【関連記事】税理士事務所も人手不足!アウトソーシングによる効率化を解説

顧問先への付加価値を重視する

事業計画書の作成や資金繰りの改善など、顧問先における多様なニーズに対応した顧客支援業務を提供することで顧客満足度が高まります。
顧問先における投資計画に対して補助金の紹介や申請書の作成を支援する、資金繰り表の作成指導を通じて把握した資金繰り改善策を立案するなどが代表例です。

開業直後あるいは顧客支援業務の実績や経験が少ない場合は、その業務に詳しい先輩税理士や相談できる連携機関と相談しながら、支援実績を積みあげてゆくこと必要があります。

【関連記事】税理士も差別化が生き残りのカギ!税務・会計だけじゃない事務所となるには

顧問先への支援業務の拡充は協議会がサポート

成功している事務所の特長として、税務・会計業務以外の顧客支援業務を充実させていることがあげられます。

顧客支援業務の拡充は経営革新等支援機関推進協議会がトータルでサポートします。

協議会は、全国トップクラスの補助金申請件数と採択件数があるエフアンドエムが、会計事務所向けに提供するサービス(月額30,000円(税抜)であり、1,714事務所が参加しています。(2023年12月時

点)


顧客支援業務の推進のために事務所で検討したい改善策と協議会の主なサービスをまとめると次のとおりです。

事務所で検討したいアクション協議会のサービス
販促ツールを効率的に作成するすぐに使えるチラシなど販促ツール素材の提供
財務分析を効率的に提供する財務分析ツール『F+prus』で新人スタッフも即戦力化
記帳代行業務をアウトソーシングする紙の領収書を送るだけの丸投げ委託が可能な記帳代行『おくるダケ記帳』
顧客支援業務を身に付ける補助金・財務支援の短期間で身に付ける研修プログラム『ACADEMY』
補助金申請書作成の悩み事を解決申請書サンプルや申請書の添削などを相談できる『実務支援』

まとめ

税理士として独立しても厳しいといわれる税理士業界においても、顧客支援業務の拡充などで成功している事務所は少なくありません。

税務・会計業務に加えて顧客支援業務を推進することで、顧問先獲得がすすむ、顧客あたりの単価が増えるなどの効果があることに加えて、事務所の差別化による生き残りを図ることが可能となります。

会計事務所における顧客支援業務の拡充の「やりたい」を「できる」に変える事務所様は、経営革新等支援機関推進協議会がサポートします。

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音峯朱里