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税理士の売上はどのくらいなのか?売上の特徴や年収を解説

税理士の登録者数は年々増加傾向にあり、日本税理士会連合会が公開している「税理士登録者数」によれば、2022年7月末日時点の税理士登録者数は79,932人、税理士法人届出数が4668件です。

税理士は専門性の高い業種であり、税理士にしかできない税務書類の作成や税務相談などの業務もあるため、登録人数が増加していると考えられます。

一方で、税理士の増加に対して、顧問先である中小企業は減少しているため、今後顧客獲得競争が激化することが予想されます。

本記事では、税理士の平均的な売上額や特徴、年収に加え、税理士として活躍していくための方法を解説します。

【参考】税理士登録者数│日本税理士会連合会

【参考】2020年版中小企業白書│中小企業庁

税理士の平均的な売上はいくらか

税理士はクライアントとの顧問契約や税務相談などのコンサルティング業務、税務書類署類の作成代行などから収入を得ています。

事業規模は所属する税理士の数によって異なり、人数が多ければ売上が高く、事務所を一人で運営していれば売上は限られてしまいます。

一事業所あたりの売上高

2016年に総務省統計局が実施した「経済センサス-活動調査」によると、税理士事務所の一事業所あたりの売上高は次のとおりです。

従業者規模一事業者あたりの売上高
1人〜4人1,908万円
5人〜9人5,108万円
10人〜19人1億1,988万円
20人〜29人2億1,016万円
30人〜49人4億2,687万円
50人以上13億8,334万円
出典:総務省統計局「平成28年経済サンセス−活動調査 事業所に関する集計」

従業員一人あたりの売上金額

税理士事務所や税理士法人の規模によって、一人あたりの売上金額が変わります。

従業者規模従業者一人あたりの売上金額
1人〜4人796万円
5人〜9人807万円
10人〜19人940万円
20人〜29人894万円
30人〜49人1,186万円
50人以上1,128万円
出典:総務省統計局「平成28年経済サンセス−活動調査 事業所に関する集計」

事業規模による売上の特徴

事業規模による売上の特徴を紹介します。

小規模事務所の特徴

従業者数が1人~4人の小規模事務所は、対応件数が限られるため、一人ひとりの従業者が役割を掛け持ちして収益をあげる組織となります。

従業者数が5人~19人になると、個々の従業者に役割を分担できるため、対応件数を増やせます。

従業者一人あたりの売上金額もあがるため収益の安定化が可能です。

中規模事務所の特徴

従業者数が20人~29人の中規模事務所は、事業規模の拡大によって総務部などバックオフィスを設置することが多いといえます。

全体の従業者数は増えるものの、バックオフィスの設置によって税務業務をおこなわない従業者が増えるため、一事業所あたりの売上金額は下がってしまいます。

事務所のバックオフィスは、外注による方法があるものの大規模事務所に発展させていく過程において設置は必要となります

中堅事務所や大規模事務所の特徴

従業者数が30~49人の中堅事務所や50人以上の大規模事務所は、規模の拡大によって大手企業を相手にする機会も増えるため、顧問契約料やコンサルティング費用の単価が高くなります。

事業所あたりの売上高があがるため、従業者一人あたりの売上金額も上昇します。

税理士の平均年収は約958万円

厚生労働省が発表している「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、税理士の平均年収は約958万円となります。

一般労働者の平均年収が約307万円となるため平均年収は高額です。

税理士の年代別年収

税理士は年齢があがるにつれて、年収の増加があるものの平均年収のピークは40代です。

50代以降になると年収が減っていく傾向があります。

年代平均年収
20〜24歳約364万円
25〜29歳約506万円
30〜34歳約913万円
35〜39歳約1,009万円
40〜45歳約1,158万円
45〜49歳約1,107万円
50〜54歳約813万円
55〜59歳約755万円
60〜64歳約416万円
65〜69歳約681万円
出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

税理士の男女別年収

税理士の男女別年収は20~24歳の平均年収は男性と変わらないものの、25歳以降は男性よりも女性の年収の方が低い特徴があります。

女性の年収が低い要因は、結婚による退職が考えられます。

年代男性の平均年収女性の平均年収
20〜24歳約364万円約364万円
25〜29歳約577万円約404万円
30〜34歳約984万円約707万円
35〜39歳約1,036万円約931万円
40〜45歳約1,201万円約929万円
45〜49歳約1,177万円約862万円
50〜54歳約913万円約658万円
55〜59歳約960万円約592万円
60〜64歳約419万円約411万円
65〜69歳約983万円約250万円
出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

税理士事務所の売上を向上させる方法

事務所の売上高を向上させるためには、従業者一人あたりの顧問契約数やコンサルティング業務数を増やすことや、1件あたりの単価をあげるといった事業規模の拡大があります。

既存顧客を維持しつつ新規顧客開拓をおこなう

事務所の売上を伸ばすためには、新規顧客開拓が必要です。

新規顧客開拓には、事務所ホームページの作成やメディア運営、Web広告、SNS広告の活用などがあり、無料の税務相談サービスや単発のコンサルティングサービスなどを提供して、アプローチしましょう。

既存顧客は現在の顧問契約を解約されないように満足度を高めてサービスをおこなうことが重要です。

満足度を高めることで、既存顧客からの紹介や別サービスの追加契約につながることがあります。

既存顧客には、定期的に情報発信やコミュニケーションを取って、困りごとがあれば顧客の要望に応えるようにしましょう。

顧客単価をあげる

顧客単価をあげることで、従業者一人あたりの売上金額が増えて、事務所の売上高を上げることが可能です。

顧客単価をあげる場合、採算が取れていない顧問先と価格交渉をおこないます。

交渉の際、サービスの質を向上させることが大切です。

顧客単価をあげても顧客満足度が低ければ、顧客が離れてしまいます。

顧客単価を上げる際の注意点は、一度上げた価格を下げることです。

価格を下げることで、事務所の信用を失う可能性があります。

「価格を上げたら、顧問先が離れてしまった」という理由で再度価格を下げるよりも、価格に見合うサービスを提供することが大切です。

また、恒久的に価格を引きあげることが難しければ、決算期や確定申告時期の決算業務に限定して割増しする方法もあります。

事業を拡大する

税理士の登録者数が増加しているため、税理士業務だけでは売上が見込めない事務所が増えています。

既存顧客とは異なるターゲットを対象に事業をおこなうと、さらなる売上増につながります。

例えば、弁護士や不動産業に関連する業種と連携することで、相続や空き家対策の事業をおこなうことも可能です。

また、金融機関と連携することで、補助金支援業務や事業計画書の作成支援業務を定期的に受けられます。

財務支援システム F+prus(エフプラス)のサービス

経営革新等支援機関推進協議会では、税理士事務所の持続的な経営を支援するために財務支援システムF+prus(エフプラス)を提供しています。

2022年8月時点で1,611の事務所にご利用いただいています。

F+prus(エフプラス)は、決算書を活用した金融機関目線の格付け診断が簡単にできます。

次の悩みをもつ事務所におすすめです。

・財務や資金調達支援を何から始めたらいいか、わからない

・金融機関の融資がわかりづらいため、アドバイスできない

・決算書や返済内容を見ても企業にアドバイスできない

・事務所がおこなう支援が属人的なため、標準的な支援ができない

・金融機関が必要とする事業計画書の作成ができない

顧問先の「財務診断報告書」の作成や、金融機関が求める「事業計画書の策定」、「決算レポート」を作成できます。

 F+prus(エフプラス)の特徴

F+prus(エフプラス)は、事務所の財務コンサルティング業務を迅速におこなうために、顧問先の決算書データや借入明細を取り入れて「財務診断報告書」を作成する機能があります。

作成した「財務診断報告書」は、問題点を自動抽出してくれるため、顧問先に対して的確な財務診断ができます。

財務診断後の解決策の1つに金融機関から融資を受ける方法があります。

金融機関から融資を受けるには、金融機関が求める事業計画書を策定しなければなりません。

F+prus(エフプラス)には、顧問先の財務診断から解決策の提示まで、適切なコンサルティング業務に役立つ機能が豊富です。

また、F+prus(エフプラス)を導入することで、顧客満足度が高まるサービスを提供できます。

顧問先が抱えている課題を解決するための計画作成や毎月の予実管理でも活用できるため、顧問先から満足をいただいています。

また、F+prus(エフプラス)で金融機関に提出する事業計画書を作成することで、金融機関から「わかりやすい」と評価をいただいております。

小規模事務所の顧問先支援と収益化について

F+prus(エフプラス)の利用料金

F+prus(エフプラス)は、月額33,000円(税込)で財務コンサルティング業務のほか、実務支援サポートやマーケティング支援もおこなっています。

事務所が顧問先にコンサルティング業務をおこなう際に、活用できるコンテンツや支援サービスを利用できるため、業務を最適化でき売上高の向上につながります。

F+prus(エフプラス)無料トライアルをご用意しております。ぜひご活用ください。

まとめ

税理士の登録者数は増加しているものの、顧問先となる中小企業の数が減少しているため競争が激化しています。

売上が減少している事務所もあり、従業者数が少ない場合、一人あたりにおける対応件数が限られます。

売上高を向上させる方法は、新規顧客開拓や、顧客単価を上げること、または事業の拡大があります。

売上高を上げるには、既存顧客とは異なるターゲットを対象にすることが重要です。

事務所の持続可能な経営をおこなうには、F+prus(エフプラス)がおすすめです。

従業者数が少ない事務所様は、業務の効率化が期待でき、財務診断報告書で出た問題点の自動抽出や、金融機関が求める事業計画書の策定支援もおこなっています。

マーケティング支援にも活用ができるため、ぜひお気軽にご相談ください。

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