税理士の営業・集客は、どれだけ取り組むかで結果が大きく変わります。開業税理士の場合、安定した収益を上げるまで営業活動を続けなければ、仕事がない状態にもなりかねません。
税理士は登録者数約8万人、事務所数も多く競争が激しい職業です。本記事では、税理士で成功するために必要な営業・集客の方法を10種類、メリット・デメリットとあわせて徹底解説します。
税理士に営業・集客が必須な理由
独立開業しても新規顧客開拓がうまくいかない税理士は多くいます。税理士法人で実務だけを担当し、営業を経験していない人も少なくありません。だからこそ、営業・集客の手法を知り、実践することが成功の前提になります。
営業活動は大きく2タイプです。
- プッシュ型:見込み客に積極的にアプローチする手法(紹介・飛び込み・テレアポ・セミナーなど)
- プル型:見込み客に見つけてもらう手法(ホームページ・SNS・ポータルサイトなど)
どちらか一方ではなく、プッシュ型とプル型を組み合わせることが重要です。
税理士の営業や集客方法10選
結論として、即効性のある手法と、時間をかけて資産になる手法を組み合わせることが効果的です。
| 集客方法 | 費用感 | 即効性 | 難易度 | タイプ |
|---|---|---|---|---|
| ①紹介(既存顧客・知人) | 低 | 中 | 低 | プッシュ |
| ②金融機関・士業連携 | 低 | 中 | 中 | プッシュ |
| ③セミナー・ウェビナー | 中 | 中 | 中 | プッシュ |
| ④DM・メール | 低〜中 | 低 | 低 | プッシュ |
| ⑤ホームページ | 中 | 低 | 中 | プル |
| ⑥MEO(Googleビジネスプロフィール) | 低 | 中 | 低 | プル |
| ⑦税理士ポータルサイト | 中 | 高 | 低 | プル |
| ⑧Web広告(リスティング等) | 高 | 高 | 高 | プル |
| ⑨SNS運用 | 低 | 低 | 中 | プル |
| ⑩テレアポ | 中 | 中 | 高 | プッシュ |
①紹介(既存顧客・知人からの紹介)
信頼度が高く成約しやすい王道の手法です。ただし「紹介しやすい税理士」であることが前提といえます。「何でもできます」では紹介につながりにくくなってしまいます。補助金申請に強いなど事務所の特徴を打ち出しておくことが重要です。
②金融機関・他士業との連携
金融機関とパイプを作れば、資金調達や補助金を必要とする経営者を紹介してもらえる可能性があります。ただし担当者の交代で案件が途絶えることもあるため、複数の関係構築が安全です。
③セミナー・ウェビナーの開催
参加者がそのまま見込み客になります。申込時に連絡先を取得できればDM等でフォローが可能です。テーマはターゲットの関心に合わせることが成功の鍵といえます。オンラインとオフラインを併用すれば、集客範囲を広げられます。
④DM・メールによる営業
新設法人向けのDMは定番の手法です。制度改正の対策情報など役立つ内容を継続的に届けると依頼につながります。送付先により内容を変えることが効果を左右します。
⑤ホームページによる集客
事務所の顔となる基盤です。サービス内容・料金・対応業務・代表者の経歴・実績を明記し、問い合わせしやすい構成にします。作っただけでは集客できないため、ブログ・コラムでの定期的な情報発信が前提です。
⑥MEO(Googleビジネスプロフィール)対策
Googleビジネスプロフィールに登録すると、「地域名+税理士」などの検索やGoogleマップで表示されやすくなります。登録情報の充実・口コミへの返信・定期的な情報発信が効果的で、地域密着で集客したい事務所には必須です。
⑦税理士ポータルサイトの活用
税理士を探す企業・個人は各種ポータルを確認します。得意分野や実績を整理して掲載すれば、比較検討段階のユーザーから案件を獲得できるかもしれません。掲載費用や報酬体系はサイトごとに異なるため、予算と効果で選びましょう。
⑧Web広告(リスティング広告・SNS広告)
「地域名+税理士」などで検索したユーザーに直接訴求できます。リスティング広告は、悩みが顕在化した層にアプローチできる魅力的な手法です。
ただ、予算を調整しながら短期間でリーチできる反面、成果を出すには運用ノウハウが求められます。苦手意識があるならば、代理店活用も選択肢に入れましょう。
⑨SNS運用
YouTubeでの解説動画、X(旧Twitter)での情報発信など、媒体ごとに特性が異なります。継続的な投稿と効果測定が前提ですが、若年層の経営者・起業家へのリーチに有効です。
⑩テレアポ営業
電話で直接サービスを伝える手法です。一定の効果はありますが断られやすく、得意分野に絞ったトークスクリプトの作り込みが成否を分けます。営業代行の活用も一般的です。新設法人など税理士がまだ決まっていない先に絞ってアプローチすると、成約率を高められます。一方で、闇雲な架電は時間対効果が低いため、リストの精度を上げることが重要です。
税理士が集客を成功させる3つのポイント
結論として、手法を問わず成果を左右するのは「顧客起点で考える」ことです。具体的には、次の3つのポイントを押さえましょう。
顧客の課題・ニーズに沿った提案をする
顕在ニーズだけでなく潜在ニーズまでヒアリングし、自所のサービスで解決できることを訴求します。悩みを決めつけないことが大切です。
他の税理士との差別化(特化)
競合が多いからこそ、「何に特化した事務所か」を明確にします。例えば「○○区で補助金申請に強い税理士」のように打ち出すと、悩みを持つ経営者から指名されやすくなります。
複数のタッチポイントを設計する
顧客層によって接触しやすい媒体は異なります。若年経営者にはSNS、高齢層の相続案件にはポスティングや折込チラシなど、ペルソナに合わせて複数経路を一貫したメッセージでつなぎます。
税理士が集客できないときに見直す3つの原因
「集客しているのに増えない」というときは、次の3つの原因を見直しましょう。
ターゲットと強みが定まっているか
「誰の・どんな悩みを解決する事務所か」が曖昧だと、発信しても見込み客に届きません。業種・地域・課題を絞り込むことが先決です。
問い合わせまでの導線が弱くないか
ホームページに料金やサービス内容が書かれていない、問い合わせフォームが分かりにくいなどは避けるべきです。最後の一歩でユーザーを取りこぼしてしまうケースに該当します。可能な限りハードルを下げ、問い合わせてもらうことが重要です。
取り組みを続けられているか
ブログやSNS、紹介依頼は、数回で成果が出るものではありません。成果が出る前にやめてしまうと、それまでの労力が無駄になります。はじめのうちは効果が見えなくとも積み重ねることが大切です。
集客でやりがちな3つの失敗
集客施策は、始め方を誤ると時間と費用だけがかかってしまいます。次のような失敗は特に多いため注意しましょう。
手を広げすぎる
ホームページもSNSも広告も同時に始めて、すべてが中途半端になるケースです。最初は2〜3チャネルに絞り、成果が出た施策へ集中する方が効率的です。
発信が続かない
ブログやSNSは、数本投稿しただけでは成果が出ません。検索エンジンや見込み客に評価されるには、継続的な更新が前提です。担当者と更新ルールを決めておきましょう。
ターゲットが曖昧
「誰にでも対応できます」という訴求は、かえって誰の印象にも残りません。業種・地域・課題を絞り込むほど、刺さるメッセージになります。
集客は効果測定して改善する
実施した集客施策は、必ず効果を測定して改善につなげましょう。問い合わせ件数、成約率、顧客獲得単価などを記録すると、どの施策が効率的かが見えてきます。
たとえばホームページなら、検索からの流入数や問い合わせフォームの送信数の集計が必要です。Web広告なら、費用に対して何件の問い合わせ・成約につながったかを月単位で振り返ります。
数字で振り返る習慣をつけることで、限られた時間と予算を、成果の出る施策に集中させることが可能です。
最初から完璧を目指さず、小さく試して反応を見ながら改善する姿勢が、結果的に集客コストを下げます。
自分に合った集客チャネルの選び方
集客方法は数多くありますが、すべてに取り組む必要はありません。大切なことは、事務所のターゲットと自分の強みに合ったチャネルを選ぶことです。
たとえば、相続や資産税を強みにするなら、地域の高齢層に届くMEOやセミナー、士業・金融機関からの紹介が有効です。スタートアップやIT企業を狙うなら、SNSやWeb広告、オンラインで完結する情報発信が向いています。誰に届けたいかによって、効果的なチャネルは変わります。
また、自分が継続できる方法を選ぶことも重要です。文章が得意ならブログ、話すのが得意ならセミナーやYouTube、人脈づくりが得意なら紹介営業などが考えられます。強みを活かせる手法ほど成果が出やすく、長続きするでしょう。
最初から手を広げず、相性の良いチャネルを2〜3本に絞って育てるのが、限られた時間で成果を出すコツです。
集客と顧問料アップはセットで考える
集客に力を入れるときに見落としがちなのが、「どんな顧問先を、いくらで受けるか」という視点です。安さを売りに集客すると、価格重視の顧問先が集まり、件数をこなしても利益が残りにくくなります。
新規集客と同時に、提供するサービスの価値を明確に伝え、適正な顧問料を設定することが大切です。たとえば、記帳代行だけでなく、月次の業績報告や資金繰りのアドバイス、補助金情報の提供などをパッケージにすれば、価格ではなく価値で選ばれる事務所になれます。集客の入り口で安売りを避けることが、結果的に経営の安定につながるのです。
よくある質問(FAQ)
Q. 開業直後にまずやるべき集客は?
A. ホームページ・MEO・税理士ポータルへの掲載で「探されたときに見つかる」状態を作り、並行して紹介とセミナーで初期顧客を獲得するのが効率的です。
Q. 広告費ゼロで集客する方法はありますか?
A. 紹介、MEO、ホームページ・SNSでの情報発信は低コストで取り組めます。ただし成果が出るまで時間がかかるため継続が前提です。
Q. 税理士紹介サイトは使うべきですか?
A. 比較検討層にリーチでき即効性が高い反面、価格競争になりやすい面もあります。得意分野を明確にして掲載すると効果的です。
Q. ホームページとSNSはどちらを先に始めるべき?
A. まずは情報の受け皿となるホームページを整え、その後SNSで流入を増やす流れがおすすめです。
Q. 集客の成果が出るまでどのくらいかかりますか?
A. 紹介やWeb広告は比較的早く反応が出ますが、ホームページやSNSなどのコンテンツ施策は成果まで数カ月かかるのが一般的です。短期施策と中長期施策を組み合わせるのが現実的です。
Q. 集客は外注すべきですか、自分でやるべきですか?
A. 戦略設計や継続運用にリソースを割けない場合は、士業に強い制作会社・広告代理店への外注も有効です。一方で、事務所の強みや人柄を伝える発信は、自分で続けるほど効果が高まります。
Q. 紹介を増やすにはどうすればよいですか?
A. 「何に強い事務所か」を紹介者が説明しやすい形で発信し、紹介してもらいやすい状態をつくることが基本です。既存顧問先や金融機関・他士業との関係を日頃から大切にすることも欠かせません。
まとめ:複数の手法を組み合わせて集客しよう
税理士として独立すれば、営業・集客は避けて通れません。プッシュ型とプル型を組み合わせ、MEOやポータル、Web広告など現代の手法も取り入れて、複数の経路から顧問先を獲得しましょう。
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