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【令和5年度補正予算】エネルギーコスト削減に使える『省エネ補助金』が拡充

【令和5年度補正予算】エネルギーコスト削減に使える『省エネ補助金』が拡充

省エネ補助金が拡充され、1次公募が始まります。

省エネ補助金は、空調機器や生産機械が対象となる補助金であり、今回の公募から補助対象や複数年にわたる投資における対応などの拡充がなされています。

本記事では、税理士から顧問先へ提案したい省エネ補助金の概要と提案時のポイントについて解説します。

目次

エネルギー費の削減や脱炭素設備に活かせる省エネ補助金3類型(旧D類型を除く)

2024年1月、資源エネルギー庁が省エネ支援策パッケージを公表し、省エネ補助金の拡充内容が周知されました。

今回の拡充ポイントは次の2点です。

  • 電化・脱炭素燃転型の新設
  • すべての類型において、複数年にわたる投資計画へ対応

今回の拡充を受けて、省エネ補助金は次の4類型となります。

  • 工場・事業場型
  • 電化・脱炭素燃転型(新設)
  • 設備単位型
  • エネルギー需要最適化型

以下、上記4類型のうち顧問先が使いやすい『工場・事業場型』『電化・脱炭素燃転型』『設備単位型』について解説します。

省エネ補助金

【引用】令和5年度補正予算における省エネ支援策パッケージ|経済産業省

工場・事業場型(旧A・B類型)

事業場単位での大幅な省エネが可能となる生産ラインなどの更新が対象です。

省エネ効率により2種類があります。

(a)先進設備・システムの導入
(b)オーダーメイド型設備の導入

【新設】電化・脱炭素燃転型

エネルギー源の電化、低炭素な燃料への転換設備などが対象です。

設備単位型(旧C類型)

あらかじめ選定された対象機器のリストから事業者が選定する方式です。
空調機器や給湯器、制御機能付きLED照明器具などのほか、プレス機、工作機械なども補助対象となっています。

省エネ補助金(工場・事業場型)は事業場ごとが対象

省エネ補助金(工場・事業場型)は、工場や事業場単位での省エネ設備導入が補助対象です。
工場や事業場単位とは、事業場で使用するすべてのエネルギーを一元的に管理し、エネルギーコストを正確に把握している事業場の単位とされています。

【引用】令和5年度補正予算省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金 公募要領|環境共創イニシアチブ

省エネ補助金(工場・事業場型)の補助対象

省エネ補助金(工場・事業場型)類型の対象は、(a)先進設備・システムの導入と(b)オーダーメイド型設備の導入の2種類であり、要求される省エネ効率によって異なります。

(a)先端設備・システムの導入
補助対象認定された設備であること原油換算ベースで次のいずれかを満たすこと ・省エネ率+非化石割合増加率が30%以上
・省エネ料+非化石使用量が1,000kl以上
・エネルギー消費原単位改善率が15%以上 投資回収年数が5年以上であること
対象経費設備費、設計費、工事費
(b)オーダーメイド型の設備導入
補助対象自社に合うよう設計・製造されたオーダーメイド型設備であること原油換算ベースで次のいずれかを満たすこと ・省エネ率+非化石割合増加率が10%以上 ・省エネ料+非化石使用量が700kl以上 ・エネルギー消費原単位改善率が7%以上 投資回収年数が5年以上であること
対象経費設備費、設計費、工事費

【引用】省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金|環境共創イニシアチブ

省エネ補助金(工場・事業場型)補助率、補助上限額

省エネ補助金(工場・事業場型)の補助率は最大3分の1、補助上限額は最大40億円です。
顧問先への提案時は、オーダーメイド型設備の導入時における補助率の違いに注意しましょう。
投資回収年数7年未満の場合は補助率3分の1以内、7年以上の場合は2分の1以内です。

(a)先端設備・システムの導入
補助率中小企業の場合、3分の2以内
補助上限額単年度の場合 年度あたり15億円(非化石転換は20億円)
複数年度の場合 補助対象全体で30億円(非化石転換は40億円)
補助下限額年度あたり100万円
(b)オーダーメイド型の設備導入
補助率中小企業の場合、2分の1以内 (投資回収年数7年未満の場合は3分の1以内)
補助上限額単年度の場合 年度あたり15億円(非化石転換は20億円)
複数年度の場合
補助対象全体で20億円(非化石転換は30億円)
補助下限額年度あたり100万円

【引用】省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金|環境共創イニシアチブ

【新設】省エネ補助金(電化・脱炭素燃転型)はエネルギー源の転換が対象

エネルギー源の電化など燃料転換設備の導入が対象であり、対象設備はあらかじめ認定された機器が対象となります。

省エネ補助金(電化・脱炭素燃転型)の補助対象

省エネ補助金(電化・脱炭素燃転型)の補助対象イメージは次の例です。

支援例

【引用】令和5年度補正予算における省エネ支援策パッケージ|経済産業省

補助対象となる設備は、ボイラやコージェネ設備などであり、指定設備のみが対象となること、設備費のみが補助対象となることに注意が必要です。

補助対象指定設備のうち電化や脱炭素目的の燃料転換を伴う設備
① 産業用ヒートポンプ
② 業務用ヒートポンプ給湯器
③ 低炭素工業炉
④ 高効率コージェネレーション
⑤ 高性能ボイラ 上記に該当しない「そのほかSIIが認めた高性能な設備」のうち、電化・脱炭素燃転に資するとして指定した設備も対象
対象経費設備費(電化の場合は付帯設備を含む)

【引用】省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金|環境共創イニシアチブ

省エネ補助金(電化・脱炭素燃転型)補助率、補助上限額

省エネ補助金(電化・脱炭素燃転型)の補助率は2分の1以内、補助上限額は3億円です。

補助率2分の1以内
補助上限額補助対象全体で3億円(電化は5億円)
補助下限額補助対象全体で30万円

【引用】省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金|環境共創イニシアチブ

省エネ補助金(設備単位型)は空調機器・照明設備などをリストで選ぶ

省エネ補助金(設備単位型)は、あらかじめ認定された汎用的な15種類の設備のリストから、申請者が選択する方式の補助金です。

省エネ補助金(設備単位型)の補助対象

汎用的な15種類(ユーティリティ設備10種類、生産設備5種類)のリストから選定し、複数設備の組み合わせも対象となります。

補助対象補助対象設備として公表された指定設備が対象
(下記は主な例)
高効率空調
高性能ボイラ
高効率コージェネレーション
冷凍冷蔵設備
制御機能付きLED照明器具
工作機械
プラスチック加工機械
プレス機械
印刷機械
ダイカストマシン
上記に該当しない「そのほかSIIが認めた高性能な設備」として指定した設備も対象
対象経費設備費

【引用】省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金|環境共創イニシアチブ

省エネ補助金(設備単位型)補助率、補助上限額

省エネ補助金(設備単位型)の補助率は3分の1以内、補助上限額は1億円です。

補助率3分の1以内
補助上限額補助対象全体で1億円
補助下限額補助対象全体で30万円

【引用】省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金|環境共創イニシアチブ

建物のリフォームで省エネ『業務用建築物の脱炭素改修加速化事業』

資源エネルギー庁が発表した省エネ支援策パッケージにおいて、既存の建物を改修する省エネ投資に対する補助制度『業務用建築物の脱炭素加速化事業』(脱炭素ビルリノベ事業)が盛り込まれました。

事務所ビルやホテル・旅館、飲食店、カラオケボックスなど業務用建物の改修、省エネ機器の導入が補助対象です。

省エネ『業務用建築物の脱炭素改修加速化事業』

【引用】令和5年度補正予算における省エネ支援策パッケージ|経済産業省

補助対象となる設備や建物など概要は次のとおりです。

補助対象断熱窓、断熱材、高効率空調、
制御機能付きLED照明器具など
対象建築物事務所、ホテル、旅館、百貨店、飲食店、
ボーリング場、カラオケボックスなど
申請単位建築基準法で定める1建築物ごとに1事業
1企業(個人事業主含む)ごとに最大5件まで
補助率3分の1以内
補助上限額1事業あたり最大10億円
補助下限額1事業あたり500万円
公募期間2024年3月29日から2024年11月29日まで

【引用】令和5年度補正 業務用建築物の脱炭素改修加速化事業 公募要領|環境共創イニシアチブ

省エネ補助金の活用のポイント

省エネ補助金は、ほかの補助金と同様に審査があります。

顧問税理士として顧問先の申請をサポートする場合のポイントは次のとおりです。

  • 加点措置の活用
  • 高額投資は複数年計画での申請が可能
  • 公募は年2回(令和4年度の場合)

省エネ診断で専門家のアドバイスと審査の加点を得られる

省エネ補助金の審査において加点される主な措置は次のとおりです。

  • 省エネ診断
  • 経営力向上計画の認定
  • 経営革新計画の認定
  • 地域未来牽引企業の認定

顧問先への提案がおすすめの加点措置は省エネ診断です。
エネルギーコストの測定や診断、空調機器や照明の設定値の最適化、すぐにできるコスト削減のアドバイスなどを廉価に受けられます。診断費用は3,850円から16,500円です。

省エネ診断

【引用】令和5年度補正予算における省エネ支援策パッケージ|経済産業省

【参考】省エネクイック診断|省エネクイック診断事務局

複数年にまたがる投資も対象

顧問先の資金繰りによっては複数年にわたる事業計画として申請することで、投資負担を分散させる提案を検討しましょう。

補助対象経費が原則5,000万円以上の場合は、複数年計画として申請することが可能ですが、計画した工事の実績に応じた支払はその年度内の支払完了が必要となる点に注意が必要です。

【参考】令和5年度補正予算省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金 公募要領|環境共創イニシアチブ

公募期間は2024年3月下旬から4月下旬、交付決定は6月上旬の予測

省エネ補助金(1次公募)の主なスケジュールは次のとおりです。

  • 公募開始  2024年3月27日
  • 公募期限  2024年4月22日17時
  • 交付決定  2024年6月下旬(予測)
  • 事業完了日 2025年1月31日(補助対象経費の支払完了)

交付決定は前回までの省エネ補助金のスケジュールから予測すると6月下旬とみられています。

なお、2次公募は2024年5月下旬からの予定です。

設備単位型(旧 指定設備導入事業)は採択率が高い?

申請件数が多かった旧指定設備導入事業(現在の設備単位型)は、補助金の中でも比較的採択率が高くなっており、また、生産機械についても採択率が高い種類が多くあります。

省エネ補助金(設備単位型)は、顧問先に幅広い提案が可能といえるでしょう。

 申請件数採択件数採択率
2022年度補正予算 1次公募結果1,920件1,307件68.1%
採択率が高い設備順(採択率上位5位)
高効率コージェネ2件2件100.0%
低炭素工業炉17件14件82.4%
制御機能付きLED25件20件80.0%
ダイカストマシン8件6件75.0%
プレス機械31件22件71.0%

【引用】令和4年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業 新規採択事業の結果について|環境共創イニシアチブ

経営力向上計画(加点措置)や経営強化税制による節税をあわせて提案

上記の省エネ補助金の加点措置の中でも、顧問先においてメリットが大きい制度をあわせて提案しましょう。顧問税理士として提案したい加点措置は次の2つです。

  • 経営力向上計画
  • 経営革新計画

経営力向上計画は比較的簡素な計画書の作成で認定を受けることが可能です。

また、認定によって中小企業経営強化税制の即時償却や税額控除などの税制優遇措置を受けることが可能となります。

【参考】経営力向上支援|中小企業庁

経営革新計画の認定は、ものづくり補助金における加点措置などへの応用も可能です。

また、地方公共団体が認定計画の実施に対しての独自の補助金を設けていることがあります。

【参考】2023年小規模事業者経営革新支援事業費補助金|愛知県

【参考】経営革新補助金(経営革新計画促進事業費補助金)の案内|静岡県

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