会計事務所支援ブログ

会計事務所が金融機関との関係構築するメリットを解説!

金融機関との関係を構築して仕事に活かしたいと考える会計事務所は少なくありません。

しかし、「金融機関との連携は難しい」と最初から検討しない会計事務所も多い状況です。

実際に会計事務所との連携を求めている金融機関も多く、会計事務所が増加傾向にある中、金融機関との関係を構築してビジネスに活かしたい事務所経営者もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、事務所が金融機関との関係を構築する際の注意点やメリットを解説します。

金融機関と連携するにはニーズを理解する

金融機関は融資以外にもさまざまな事業をおこなっています。

金融機関と連携するには金融機関が求めるニーズを理解しなければ関係構築は難しいといえます。

金融機関が企業に対してどのような事業をおこなっているかを理解しましょう。

融資以外の支援事業

金融機関は企業に融資して利息を得るだけではなく企業の支援事業として、補助金・助成金支援や事業承継、M&A、ビジネスマッチング、遺言信託、保険の提案などをおこなっています。

金融機関の事業の中には、会計事務所がおこなう事業と関係が深いものも多く補助金・助成金支援や事業承継、M&Aが該当します。

事業承継やM&Aは専門性が高く、会計事務所によっては事業承継やM&Aを強みにしている事務所も存在します。

また、補助金・助成金支援は、顧問先や新規の顧客に対してアプローチする場合や相談されて支援サービスをおこなうことも多い事業といえます。

コンサルティング事業

金融機関のコンサルティング業務は、創業・開業時の起業支援や事業計画書の策定、業務効率化、ファイナンス支援などさまざまなサービスをおこなっています。

会計事務所も金融機関がおこなっているコンサルティング業務と同じようなサービスがあるため、連携しやすいといえます。

金融機関だけでは運営が難しい

金融機関が企業におこなう支援やコンサルティング業務は、会計事務所も顧問先の支援サービスとして提供しています。

しかし、金融機関はDX化の影響で営業支店を少人数で運営しており、企業への訪問頻度が下がっていす。

そのため、十分なサービスをおこなえていない実状があります。

会計事務所は、金融機関の現状を知り、ニーズを理解することで連携が可能です。

顧問先と金融機関の間に入るサポート

会計事務所が顧問先と金融機関の間に入ることで、顧問先からは財務コンサルティングの受注が可能となり、金融機関からは実績を信頼されます。

また、次回以降の企業紹介につながる可能性があるため、具体的にどのようなサポートをしているか、理解しましょう。

返済に向けたサポート

金融機関に相談しに来た時点で既に資金ショートしている企業には貸付が難しく、断らざる得ない事例が増えています。

しかし、事前に会計事務所から返済に向けたサポートを受けている顧問先であれば、金融機関としても貸付を進めやすくなります。

金融機関は、顧問先との間に会計事務所が入ることで、財務状況の説明や融資内容、事業計画について、顧問先が把握しきれていない部分も含めて説明できるため、貸付する場合でもどのくらいの期間で返済が可能かどうかわかります。

資金繰り改善サポート

企業が金融機関に相談しに来た際に金融機関と事務所が連携していれば、資金繰り改善に向けた支援やアドバイスができます。

また資金繰りを改善するために補助金申請の提案や、融資に向けた提案も可能です。

資金繰りが悪化した場合でも手遅れになる前に金融機関に相談する、決算時の財務内容を報告できるため、会計事務所だけではなく金融機関にとってメリットが大きいものとなります。

会計事務所の利益率を高めるためには?

金融機関と連携するメリット

会計事務所が金融機関と関係構築して連携するメリットをご紹介します。

補助金案件の紹介

金融機関に来た企業に補助金案件を紹介する場合、あらかじめ金融機関と事務所が連携していれば、金融機関に代わって補助金の支援ができます。

補助金支援の実績は金融機関名になりますが、実際に補助金申請で必要な事業計画書の作成は会計事務所がおこなっていることも少なくありません。

また、事業再構築補助金を申請する場合、補助金申請して実際に支払われるタイミングは、設備投資などをおこなった後になるため、設備投資資金を金融機関から借入しなければ設備投資自体ができません。

そこで実際に支援サポートできる会計事務所が入ることで、事業再構築補助金を申請し、申請後の設備投資は金融機関から融資を受けます。

実際に設備投資をおこなった後に申請した事業再構築補助金が企業に支払われ、その補助金で金融機関に返済する流れができます。

事業計画の作成依頼

金融機関に相談しにきた企業が融資を受ける際、事業計画書の作成を会計事務所に依頼できます。

すでに作成している場合、金融機関が納得できる内容になっているかを確認することも可能です。

税務顧問の紹介

金融機関と会計事務所が連携していると、創業や開業した企業の税務顧問として紹介されることがあります。

金融機関は、会計事務所に税務顧問として資金繰りのサポートや、創業融資の返済に向けたサポートをおこなうことを期待しています。

経営力向上計画案件の紹介

金融機関が企業に経営力向上計画に申請することを進めた場合、会計事務所が支援することで認定されやすくなります。

企業が経営力向上計画を申請し認定を受けることで、税制優遇や金融支援などを受けられるため、金融機関から企業に提案し、連携している会計事務所に申請サポートを紹介してくれます。

開業間もない会計事務所や小規模事務所でも実現可能

金融機関のニーズが理解でき、とくに補助金支援や財務支援の強化ができれば開業間もない会計事務所や小規模事務所でも金融機関との連携ができます。

ただし、金融機関との連携は、補助金案件や経営力向上計画案件を紹介してもらうだけの短期的な視点だけでなく、金融機関のニーズに応えるように中長期的な視点にも重点を置いて取り組むことが大切です。

また、金融機関との連携が強くなることで新規顧客が増えることや付加価値、売上向上につながります。

経営革新等支援機関推進協議会の提供サービス

会計事務所が金融機関と関係構築する際に経営革新等支援機関推進協議会のサービスを活用することをおすすめします。

経営革新等支援機関推進協議会では、月額33,000円(税込)で4つのサービスを提供しており、最新情報などの知識習得や、実務支援、マーケティング支援、財務支援システムF+prus(エフプラス)があります。

2022年8月時点で1,611の事務所にご利用いただいております。

知識習得に向けたサービス

会計事務所が最新の知識として補助金支援や財務コンサルティング、税制優遇に関する最新情報や、事務所の社員教育としてサービスを利用できます。

定例研修会を会員限定向けにおこなっており、最新の実務支援やコンサルティングサービスの情報を提供しています。

動画コンテンツとなるため視聴はいつでも可能となり、好きな時間に必要な部分を学べます。

社員教育としてのサービスは、会計事務所が企業支援に必要な補助金や、公的制度、財務コンサルティングなどの知識を体系的に学べます。

「補助金・公的制度コース」と「金融・財務コース」の2つのコースがあり、1コース約3カ月月間のカリキュラムとなります。

カリキュラムは事務所に必要な知識の習得から実務経験に必要なスキルまで身に着けられます。

実務支援

実務支援は、開業間もない会計事務所や実務経験が少ない会計事務所でも効率的に実務対応を可能とするサービスです。

会計事務所が活用する補助金申請や、経営力向上計画などの申請書を記載事例付きのサンプルで提供しているため、サンプルを見ながらその企業にあった申請書を作成できます。

作成した申請書は経営革新等支援機関推進協議会のスタッフによる添削サービスを活用することで、申請書内容のブラッシュアップや採択の可能性をあげられます。

各案件の支援相談や実務相談をおこなう個別相談窓口も設置しており、会計事務所の社員であれば誰でも利用ができるため、支援や実務面で気になることのご相談が可能です。

マーケティング支援

マーケティング支援は、事務所が顧問先や新規顧客開拓に活用できるサービスです。

販促ツールや、月次情報提供サービスやセミナー内容を提供しています。

顧問先に向けて補助金などの各制度の案内チラシや、会計事務所が発信するメルマガなど、毎月テーマを変えて提供しているため、継続的な情報発信に活用ができます。

また、FASクラブという経営革新等支援機関推進協議会が顧問先に、補助金や資金繰りに関する最新情報を提供するサービスを提供しております。

「メールマガジン」「会員専用Webセミナー」「補助金・資金繰り専用の相談窓口」「2カ月に1度の情報誌の発行」といった4つのサービスを受けられます。

財務支援システム「F+prus(エフプラス)」

財務支援システムF+prus(エフプラス)は、顧問先の決算書データや借入金の返済データを取り込むことで金融機関が実施するような格付け診断がおこなえます。

活用できるサービスは、顧客に対しておこなう「財務診断報告書」の作成や、金融機関が求める「事業計画書の策定」、「決算レポート」を作成できます。

 F+prus(エフプラス)の活用方法

F+prus(エフプラス)は顧問先の決算書データや借入金の返済データを取り込んで「財務診断報告書」を作成します。

作成した「財務診断報告書」は顧問先の問題点を自動抽出してくれるため、顧客に対して的確な財務診断を提供できます。

財務診断後の解決策には、金融機関からの融資を受ける方法があります。

金融機関から融資を受けるには、金融機関が求める事業計画書を策定する必要があり、F+prus(エフプラス)を活用することで、金融機関が求める内容を盛り込んだ事業計画書を作成ができます。

まとめ

金融機関と関係構築して連携を進めることは、会計事務所にとって大きなメリットです。

会計事務所は、金融機関は連携を求めていないと思いがちで、積極的に関係構築をおこなわないことがあります。しかし、実際には金融機関が会計事務所に期待することは増えています。

会計事務所が金融機関と関係を深めて連携していくことは、金融機関からの紹介で財務コンサルティングの受注が可能となり、金融機関からは実績を評価され、次回以降の案件紹介にもつながりやすくなります。

経営革新等支援機関推進協議会のサービスは、月額33,000円(税込)で企業の財務診断や財務コンサルティングをスムーズにおこなえ、社員教育や顧問先への情報提供、会計事務所の実務支援サービスをご利用いただけます。

会計事務所が迅速に財務コンサルティングや補助金支援をするためにも、業務の効率化は必要不可欠です。

ぜひお気軽にご相談ください。

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経営革新等支援機関推進協議会
経営革新等支援機関推進協議会は、株式会社エフアンドエムが運営する会計事務所向けの支援団体です。2014年4月に設立し現在では、全国1700以上の会計事務所が正会員として参画しており、中小企業支援制度についての勉強会・システム提供を通じて全面的にバックアップしている。