税理士は儲からないといわれることがあります。
確かに開業当初は売上が伸びないこともありますが、税理士は他の業種に比べて年収が高い業種でもあります。
本記事では、税理士が儲からないは本当なのか、儲かる分野や仕組み作りについて解説します。
目次
税理士は儲からないというが本当?
税理士は本当に儲からないのかを実際の平均年収から考察して解説します。
税理士の平均年収
厚生労働省の「令和3年度賃金構造基本統計調査」によると、税理士の平均年収は約659万円です。
しかし、税理士は年代別で年収が変わり、年齢が上がるにつれて、年収が増加していきます。
年代別の平均年収では、ピークが50代後半で60代以降になると年収が減っていく傾向が強いといえます。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20〜24歳 | 約298万円 |
25〜29歳 | 約508万円 |
30〜34歳 | 約651万円 |
35〜39歳 | 約687万円 |
40〜44歳 | 約646万円 |
45〜49歳 | 約801万円 |
50〜54歳 | 約730万円 |
55〜59歳 | 約913万円 |
60〜64歳 | 約605万円 |
65〜69歳 | 約434万円 |
70歳〜 | 約326万円 |
約7万9,000人が税理士登録をしており、独立開業している税理士が約71%で、企業に勤務する税理士と税理士事務所などに勤務する税理士が約29%とされています。
【参考】日本税理士会連合会|国税庁
年収1億円を超える税理士も存在する
税理士には、独立開業税理士や勤務・社員税理士に分類できます。
厚生労働省の統計は独立開業税理士や勤務・社員税理士の違いまでは算出されていません。
独立開業税理士の年収はさまざまで平均年収で約3,000万円、さらに高年収になると1億円以上の税理士も存在します。
しかし、勤務・社員税理士や独立開業間もない税理士の場合、平均年収は高くありません。
開業すればすぐに儲かるわけではない
税理士は開業すれば確実に儲かるわけではありません。
約7万9,000人が税理士登録をおこなっており、税務代理や税務書類の作成などの独占業務があるものの競争が激しく、独立開業しても顧問契約や新規顧客の獲得は難しいといえるでしょう。
中小企業にしても長年依頼している税理士事務所に継続して依頼することも多く、コネクションや営業能力、独自のアプローチが必要です。
税理士の儲かる分野
他の税理士事務所や税理士法人がやっていることだけをやっていても新規顧客の獲得は難しいといえます。
税理士の儲かる分野を把握し、得意分野を見つけることが大切です。
企業顧問業務
税務顧問の多くが年間契約で、企業の税務処理や税務相談、補助金や優遇税制などのアドバイスをおこないます。
そのため、顧問契約を増やすことで安定的な収益や年収を増やす最も近い方法となります。
顧問先に定期的な情報発信や税務相談をおこなうことで、決算や税務申告業務、補助金・助成金の申請支援などのスポットでの依頼を受けることもあります。
顧問契約を増やせればスポット依頼も増えるため、積極的に接点を持つようにしましょう。
新規顧客の開拓は、企業に情報発信をおこなって、スポット依頼を受けてから顧問契約につなげる方法が一般的です。
決算・税務申告業務
決算期や税務申告時期に企業から依頼される税理士の主業務です。
一般的に3月決算の企業が多いため税務申告時期も5月までとなり、決算が異なる企業を複数顧問先にできれば、閑散期が減り、収益も増えやすくなります。
もしひとりで決算・税務申告業務を担当する場合、受けられる件数も限られてしまいます。
年間で受ける件数を増やすことで、スポット依頼に繋がり高収益、高年収を実現できます。
補助金・助成金の支援業務
補助金や助成金の制度を知っていても詳細や自社で活用できるかわからない経営者も少なくありません。
顧問先や新規顧客に向けて、定期的に情報提供することで補助金や助成金の申請支援を依頼されるなど機会創出につながります。
経営者は補助金や助成金を利用できれば利用したいと考えていることも多く、とくに事業再構築補助金やものづくり補助金などはニーズが高いため積極的に情報提供をおこないましょう。
事業再構築補助金の申請支援を専門的におこなっている税理士事務所も多く、さまざまな案件の創出機会につなげています。
税理士は儲かる仕組みを作ることが大切
税理士で収益を増やし年収を上げるためには、仕組み作りが大切です。
新規顧客開拓の工夫
売上を伸ばすためには新規顧客開拓が必要です。
ただし、新規顧客開拓に時間をかけ過ぎずに、自動化する仕組みを作ることが大切となります。
事務所のWebサイトやメディア運営、WebやSNS広告の活用のほか、見込み客には無料の税務相談やコンサルティングサービスを提供して接点を作れる仕組みを構築しましょう。
既存の顧問先にも顧問契約を解約されないように定期的な情報提供やメルマガ配信など満足度を高めるサービスを実施することも重要です。
満足度を高めてさまざまなサービスを提供しましょう。
1人当たりの顧客単価を増やす
売上を伸ばすためには、顧客単価を上げることが必要です。
顧客単価を上げることで事務所スタッフひとり当たりの売上金額が増えるため、事務所経営者の年収アップにもつながります。
顧客単価を上げる方法として、採算が取れていない顧問先と価格交渉をおこないます。
ただし、価格交渉して単価を上げた場合、顧客満足度も高めなければ顧客は離れてしまいます。
また単価を上げて顧客が離れても、一旦上げた価格は下げることが難しく、価格に見合ったサービスを提供することが重要です。
とくに価格を上げたり下げたりすれば事務所の信頼を失い可能性もあるため、価格交渉をおこなう際は慎重な対応が必要となります。
価格を見直す際に、現在顧客に提供しているサービスをひとつひとつ見直し、適正な価格を設定しましょう。
スタッフの教育体制を構築する
売上を伸ばす方法として事務所スタッフを教育して、提供サービスを増やすことが重要です。
大きな税理士法人などは教育体制が整っており、体系的に学ぶことやベテラン税理士によるOJTなどをおこなっています。
小規模な税理士事務所の場合、教育体制が整備されておらず、手の空いているスタッフや時間があるときに教育します。
スタッフを即戦力とするためには、教育体制を整備しましょう。
新規事業をおこなう
税理士の登録者数が増加傾向にある中、同じ事業をおこなっていては、売上が見込みづらくなります。
例えば、弁護士や司法書士と業務提携することで、相続や空き家対策などの事業もおこなえます。
税理士が独占的におこなえる事業以外に幅を広げることで、既存顧客とは異なるターゲットを獲得できるため売上の増加や年収を上げることにもつながります。
財務支援システム F+prus(エフプラス)のサービス
経営革新等支援機関推進協議会では、月額3万円(税抜)で最新情報の知識習得や、実務支援サービス、事務所のマーケティング支援、財務支援システム「F+prus(エフプラス)」といったサービスをご利用いただけます。
顧問先や新規顧客開拓などさまざまな場面で活用ができ、2022年9月時点で1,633の事務所にご活用いただいています。
最新情報などの知識習得
最新情報などの知識習得として、財務や補助金、優遇税制支援の最新情報、従業員の教育サービスをご利用いただけます。
毎月開催する会員限定のオンライン研修会や、最新の実務支援やコンサルティングサービスの手法など動画コンテンツで、好きな時間にいつでも視聴が可能です。
経営革新等支援機関推進協議会アカデミーでは、企業支援をおこなうために必要な補助金や、公的制度、金融、財務知識を一から学べます。
「補助金・公的制度コース」と「金融・財務コース」の2つのコースから構成されており、1コース約3カ月間で修了できます。
財務支援に必要な知識や、ノウハウを体系的に習得できるため、事務所で教育環境が整備されていなくてもスタッフ教育が可能です。
実務支援サービス
実務支援サービスは、独立開業間もない事務所で実務経験が少なくても、効率的な実務対応が可能です。
事務所が活用する各種補助金申請や経営力向上計画、先端設備等導入計画などの申請書に記載事例付きのサンプルを提供しています。
実務経験がないスタッフでもサンプルを見ながらの申請作成が簡単にでき、申請書の添削サービスで採択率の向上も期待できます。
経営革新等支援機関推進協議会では個別相談窓口も設置しているため、各案件の支援相談や実務相談をおこなえます。
公的機関への直接質問がしづらい場合や、質問窓口がわかりづらい場合でも相談が可能です。
財務支援システム「F+prus(エフプラス)」
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金融機関が求める内容で事業計画書を策定できる、財務診断報告書や事業計画書から決算報告に活用できるレポートを作成できるため、金融機関にもご好評いただいております。
まとめ
税理士で儲けるためには、儲かる分野や仕組みを作ることが重要です。
税理士登録者が増えている中、他の事務所とは異なる接点の作り方やサービスの差別化をおこなうことで事務所の収益が増え、年収が上げることにもつながります。
仕組み作りでおこなうべきことは本記事を参考にしてみてください。
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