税理士事務所の販促ツールは、ホームページやメルマガ、販促チラシなどさまざまな方法があります。中でもホームページは伝達できる情報量が多く、集客に大きな力を発揮します。
本記事では販促のスタートとなるホームページと、顧問先に行動を促すツールとの組み合わせや活用方法について解説します。
目次
税理士事務所も差別化がカギ
税理士資格登録者数は増加し続けており、80,692人(2023年3月末日時点)となりました。
競争が激しくなる税理士業界で生き残るためには、ほかの事務所との差別化が大切です。
税理士事務所の集客は難しい
税理士事務所が新規の顧問先を獲得する時、顧問先においてはさまざまな負担が発生します。
- ニーズに合致した事務所を探す手間
- 顧問税理士との心理的な相性がわからない
- 顧問料やサービス内容が不明確
- 過去のデータを新しい税理士に引き継げない
【関連記事】税理士が顧客を獲得するために必要なことは?
顧問先に選ばれ続ける事務所とは
上記のスイッチングコストを払ってでも顧問税理士を変更する理由の多くは、顧問税理士が提供するサービスへの不満、提案が少ないことであるといわれています。
経営者が相談相手に求める内容としては、「自社の経営に対する理解度」(54.5%)、次いで「自社に適した支援策の提案力」(53.2%)をあげています。
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集客と販促ツールの効果的なポイント
各種の販促ツールはそれぞれの特性に応じた効果的な使いかたがあります。
口コミ、紹介
情報の伝播範囲は狭いものの経営者が税理士を探す時の有力な手段です。
顧問先が知人や同業者との間で紹介しやすいよう、普段から事務所のホームページや販促チラシを充実させておきます。
メルマガ、DM、販促チラシ、事務所通信
顧問先へ直接的に情報を提供するツールは併用が望ましいです。
メルマガやDMなどのデジタル媒体は届けたい相手に直接的に届きます。顧問先だけをメンバーとするチャットグループの構築もおすすめです。
チラシなどの紙媒体はターゲットとなる相手を絞らず、より広範に情報を伝達できます。
メルマガやチラシの作成ポイントは次の4点です。
- 「顧問先が関心をもつテーマ」
- 「定期的」
- 「わかりやすい説明」
- 「顧問先への提案を含んでいる」
毎週、毎月など定期的に発信するにあたり情報収集や内容を整える作業に負担がかかるため、税理士事務所向けのコンテンツを提供するサービスの利用も検討します。
ブログ、SNS
ホームページよりも容易に開始でき、コストも低いツールです。効果が出るまで時間がかかりますが、税理士本人の考え方なども発信しやすく、顧問先や見込み先からの深い理解を得ることに役立ちます。
ブログでは発信した情報がストックされていく構造です。過去に発信したコンテンツが評価されると、効果を長く維持できます。
SNSは多くの情報が流れていくフロー型のツールです。SNSを活用している税理士は多くないため、アピール力が強くなります。SNSのアプリケーションによって利用者層が異なるため、ターゲットとする顧客層に応じて使い分けます。
ホームページ
ホームページは集客のスタートです。経営者が税理士を探す時は「税理士 地域名」などのキーワードで検索するため、ホームページは欠かせません。また金融機関などにおいても連携を検討する際にはホームページの確認をおこなうため、安心感につながります。
ホームページは多くの情報量を掲載できるうえ、ホームページの閲覧者に具体的な行動をおこなわせるランディングページ(LPページ)への誘導の入り口となります。
一方で、更新頻度が低い、古い情報が多いホームページはメンテナンスができていない印象を与えてしまいます。
税理士事務所のホームページ、ここがポイント
集客の要であるホームページの構成は以下のポイントに注意します。
事務所のイメージをわかりやすく
ホームページ全体のイメージは、事務所としてアピールしたいイメージを表すように構成します。例えば親しみやすさをアピールする時は、ホームページを明るく爽やかなカラーをベースとするなどです。
ホームページには少なくとも以下の情報を掲載します。
- 事務所の名称、連絡先、アクセス(位置)
- 税理士の紹介
- 事務所またはサービス内容の特長
- 業務内容と料金
- コラムやFAQ
サービス内容、料金体系の掲載は戦略的に
サービス内容に応じた料金の目安を掲載することで、安心感を得ることができます。
サービスの説明は平易な言葉を使い、具体例を示すとわかりやすくなります。
料金の掲載方法はほかの事務所の掲載例が参考となりますが、掲載の内容は慎重に検討します。戦略的に低価格のサービスを訴求する方法、網羅的に掲載する方法などがあります。
見やすく、わかりやすい掲載方法
初心者や税制に詳しくない人が見てもわかりやすく掲載します。税制改正情報やサービス例などは具体例を示すと理解しやすくなります。
連絡先へのリンクも設定し、気軽に相談できるようにします。
情報提供とともに実績もアピール
優遇税制や補助金情報の紹介とともに、事務所でも取り組んでいること、事例などを紹介します。税務・会計業務のみのアピールでは差別化につながらず、効果が薄いものになります。
事務所スタッフの求人にも活用
ホームページやブログは求職者が必ずチェックする媒体です。事務所の雰囲気や業務内容がわかるように構成します。
ホームページは集客の仕組み作りとセットです
ホームページを中心としたWEBマーケティングは集客の要です。ホームページは単独で運用するよりも、そのほかの販促ツールと連動されることが効果的です。
情報発信+提案
顧問先や見込み客に対してメルマガや販促チラシを使って情報とサービスを発信します。製造業の顧問先へ「事業再構築補助金第10回公募」を紹介する、バックオフィス業務が負担となっている会社へ「IT導入補助金」を紹介するなど、顧問先に応じて使い分けると効果的です。
また月次監査の機会を利用して、ホームページに掲載している最新情報を販促チラシで紹介することでホームページへの誘導を図ることができます。
メルマガと販促チラシのイメージは以下のとおりです。
制度の内容をコンパクトにまとめるとともに、より詳細な情報を掲載しているホームページのリンクや事務所への連絡先を掲載し、顧客を誘導します。
ホームページへの誘導
販促チラシなどの情報に関心をもった人は、ホームページでより詳細な内容や料金を確認します。ホームページではより詳細な説明が容易にできます。
ホームページではテキストでの説明だけでなく、Vimeo・YouTube動画での説明が効果です。
ホームページへの誘導後、シンプルなランディングページ(LPページ)で見込み先からの入力を促します。
掲載情報はこまめに更新
ホームページは更新頻度が重要です。目立つ情報が古い時や更新されていないホームページは逆効果を生むこともあります。自事務所での定期的なコンテンツの配信は負担が重くなります。税理士事務所向けの販促ツールを定期的に提供するサービスを用意している企業の活用を検討します。
集客後の実績作りのために必要なこと
ホームページなどで自事務所に接触した顧問先は、自社にニーズに合致したサービスの提供と具体的な成果を期待しています。
顧問先のニーズに応える事務所となるためには事務所の生産性向上が必要です。
定型業務の効率化
業務の中には大切ですが時間がかかる定型業務があります。例えば領収書など資料の回収と確認事務などです。顧問先の自計化を促す、定型業務を外注するなどで効率化することができます。
事務所スタッフの戦力化
さまざまな業務を提供できる事務所となるためには、事務所スタッフのレベルアップが必要ですが、事務所スタッフへの教育訓練は時間が必要です。税理士事務所の従業員向けの教育カリキュラムを提供している企業の活用も検討します。
事務所の差別化へつなげるポイント
事務所のアピールは事務所の強みが明確であるほど効果的です。
税理士事務所の差別化の方向性としては、「得意分野がある事務所」「中小企業の良き相談相手、ホームドクター的な存在」があげられています。
「得意分野がある事務所」とは、「相続に強い」「M&Aに慣れている」「給与計算から労務管理、入出金管理までの経理事務をまるごと受注」などの業務分野のほか、「新規開業」など特定の属性の顧問を得意とする税理士などを指します。
「ホームドクター的な存在」とは顧問先の日常的な良き相談相手として、さまざまなニーズに対応する方向性です。
自事務所のスタッフの能力や顧問先の特徴を踏まえて事務所の特長を磨き上げます。
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まとめ
税理士事務所の集客にウェブマーケティングは欠かせません。ホームページにさまざまな情報提供とサービスを掲載し、販促チラシやメルマガと連動させることで顧問先から接触してくる仕組み作りが効果を発揮します。
税理士事務所における集客においてウェブマーケティングは欠かせません。
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