「税理士は食えない」といわれることがありますが、現実の税理士の年収は低くありません。2024年の「賃金構造基本統計調査」から推計した所属(勤務)税理士の平均年収は約856万円であり、2023年の約747万円から+14.5%の大幅な年収アップです。
税理士の約7割を占める開業税理士については、税理士事務所の平均売上高が約5,000万円、売上高1億円を超える事務所が全体の約1割となっています。
本記事では、統計から見る税理士の現実の年収と、経験年数別・男女別などの違いを解説します。
目次
所属(勤務)税理士の平均年収(2024年)は約856万円
厚生労働省が2025年3月17日に発表した2024年(令和6年)「賃金構造基本統計調査」をもとに推計すると、税理士事務所に勤務する所属(勤務)税理士の平均年収は約856万円です。
2023年の平均年収(推計)は約747万円であり、2024年の税理士の年収は前年から+14.6%の大幅な収入増となっています。
なおこの平均年収は「従業員数10名以上の事務所のみ」「税理士と公認会計士を合わせての平均値」であることに注意が必要です。
上記と同じ方法で推計した2023年の税理士の平均年収は、次のとおり約747万円です。
- 給与額50.64万円(所定内給与額46.81万円、手当など所定外給与3.83万円)
- 賞与など139.05万円
- (=①×12+②)年収(推計)746.73万円(=①×12+②)
【参考】2023 年(令和5年)賃金構造基本統計調査|e-Stat一般労働者の表番号1『公認会計士、税理士』(男女計)
所属(勤務)税理士の年収の現実【経験年数別】
所属税理士の年収は、経験年数に比例して上がる傾向にあることが知られています。
所属税理士が税理士の平均年収である約856万円を超える水準となるためには、経験年数15年以上が必要となります。
【所属(勤務)税理士の経験年数別平均年収(所定外給与を除く推計)(2024年)】
経験年数 | 所定内給与 | 賞与など | 所定外給与を除く 平均年収(推計) (所定内給与×12+賞与など) |
平均 | 50.82万円 | 187.02万円 | 796.86万円 |
0年 | 31.61万円 | 22.66万円 | 401.98万円 |
1年から4年 | 35.70万円 | 103.29万円 | 531.69万円 |
5年から9年 | 32.98万円 | 96.21万円 | 491.97万円 |
10年から14年 | 41.24万円 | 129.94万円 | 624.82万円 |
15年以上 | 65.28万円 | 272.64万円 | 1,056.0万円 |
所属(勤務)税理士の年収の現実【経験年数別・男女別】
所属税理士の年収を性別で見ると、経験年数5年未満においては男女とも同水準です。
経験年数別・男女別の税理士の平均年収(推計)は次のとおりです。
【所属(勤務)税理士の経験年数別・男女別平均年収(所定外給与を除く推計)(2024年)】
経験年数 | 平均年収(所定外給与を除く推計) | ||
男女計 | うち男性 | うち女性 | |
平均 | 796.86万円 | 965.45万円 | 535.97万円 |
0年 | 401.98万円 | 425.84万円 | 377.45万円 |
1年から4年 | 531.69万円 | 544.25万円 | 520.39万円 |
5年から9年 | 491.97万円 | 592.90万円 | 404.81万円 |
10年から14年 | 624.82万円 | 851.44万円 | 372.31万円 |
15年以上 | 1,056.0万円 | 1,182.27万円 | 729.29万円 |
経験年数別を男女別で見ると次のとおりとなります。
経験年数 (男性のみ) | 所定内給与 | 賞与など | 平均年収(所定外給与を除く推計) (所定内給与×12+賞与など) |
平均 | 61.30万円 | 229.85万円 | 965.45万円 |
0年 | 33.41万円 | 24.92万円 | 425.84万円 |
1年から4年 | 37.47万円 | 94.61万円 | 544.25万円 |
5年から9年 | 38.54万円 | 130.42万円 | 592.90万円 |
10年から14年 | 56.63万円 | 171.88万円 | 851.44万円 |
15年以上 | 73.36万円 | 301.95万円 | 1,182.27万円 |
経験年数 (女性のみ) | 所定内給与 | 賞与など | 平均年収(所定外給与を除く推計) (所定内給与×12+賞与など) |
平均 | 34.60万円 | 120.77万円 | 535.97万円 |
0年 | 29.76万円 | 20.33万円 | 377.45万円 |
1年から4年 | 34.11万円 | 111.07万円 | 520.39万円 |
5年から9年 | 28.18万円 | 66.65万円 | 404.81万円 |
10年から14年 | 24.09万円 | 83.23万円 | 372.31万円 |
15年以上 | 44.37万円 | 196.85万円 | 729.29万円 |
所属(勤務)税理士の年収の現実【事務所規模別】
上記の「賃金構造基本統計調査」を見ると、事務所の従業員数規模によって所属税理士の年収に違いがあります。
【所属(勤務)税理士の勤務先規模別平均年収の推計(2024年)】
従業員数 | 給与 (所定外給与を含む) | 賞与など | 平均年収(推計) (給与×12+賞与など) |
5名から9名 | 37.94万円 | 106.73万円 | 562.01万円 |
10名から99名 | 47.34万円 | 92.71万円 | 660.79万円 |
100名から999名 | 50.38万円 | 159.76万円 | 746.32万円 |
1,000名以上 | 64.30万円 | 271.98万円 | 1,043.58万円 |
【引用】2024年(令和6年)賃金構造基本統計調査|e-Stat一般労働者(企業規模5から9名)の表番号4より『公認会計士、税理士』(男女計)
(従業員数10名以上について)
【参考】2024年(令和6年)賃金構造基本統計調査|e-Stat一般労働者の表番号1『公認会計士、税理士』(男女計)
税理士事務所の平均売上高は約5,000万円!開業税理士の年収の現実
開業している税理士の年収(事務所の売上高)はスタッフ数により大きく異なります。
2021年(令和3年)の経済センサスによると、税理士事務所の平均売上高は約4,926万円、スタッフ1名あたりの平均売上高は約936万円です。
開業税理士は年収5,000万円!?中規模税理士事務所は平均売上1億円超!
税理士事務所のうち約6割がスタッフ数4名以下の少人数事務所です。スタッフ数4名以下の少人数事務所の平均売上高は約2,087万円です。従業員数10名以上の税理士事務所となると平均売上高が1億円を超えます。
ただし、スタッフ1名あたりの平均売上高は約936万円であり、事務所の規模によっても大きな差は見られません。
【開業税理士のスタッフ数別平均売上高(2021年)】
人数規模別 | 事務所数の割合 | 1事務所あたり 売上(収入)金額 | 1名あたり 売上(収入)金額 |
平均 | 100.0% | 4,926万円 | 936万円 |
1名から4名 | 62.1% | 2,087万円 | 888万円 |
5名から9名 | 26.0% | 5,553万円 | 871万円 |
10名から19名 | 9.0% | 1億3,008万円 | 1,008万円 |
20名から29名 | 1.7% | 2億2,353万円 | 957万円 |
30名から49名 | 0.8% | (データなし) | (データなし) |
50名以上 | 0.3% | 11億8,935万円 | 1,266万円 |
出向など | 0.1% |
税理士事務所の利益率
開業税理士の所得を調査した公的な統計はありませんが、日本政策金融公庫が「小企業の経営指標調査」において税理士事務所の経営指標を発表しています。本調査によると、税理士事務所(2024年)の経常利益率は平均2.4%、中央値は2.9%です。このうち黒字かつ債務超過でない事務所の平均経常利益率は5.8%です。
黒字の事務所は1名あたり売上高が多く、スタッフの給与もやや高い水準となっています。
税理士事務所が併設することが多い会計計算センターとともに、税理士事務所の利益率などを示すと次のとおりです
【税理士事務所と会計計算センターの平均利益率】
税理士事務所の年収アップは経営革新等支援機関推進協議会がフルサポート
税理士の現実の平均年収は約856万円と高く、「税理士は食えない、厳しい」という水準ではありません。また開業している税理士の平均売上高は約5,000万円となっており、成功すれば1億円以上の売上高となることが可能です。
限られたスタッフ数で稼げる税理士事務所となるためには、税務・会計とともに付加価値が高いサービスを拡充することが求められます。
税務・会計業務だけではない、顧問先から選ばれる税理士事務所となるために、経営革新等支援機関推進協議会がトータルでサポートします。
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【参考】2024年(令和6年)賃金構造基本統計調査|e-Stat一般労働者の表番号1『公認会計士、税理士』(男女計)