難関国家資格を突破して税理士になったとしても、稼げる税理士はごくわずかではまったく割に合わないと不満を口にする税理士が増えてきました。
しかし儲かる税理士が減る一方で、儲かる税理士も多く存在することも事実です。
IT化やDXの導入で暗雲立ち込める税理士業界といわれますが、異なるアプローチ方法で稼げるようになるかもしれません。
本記事では儲かっている税理士がいま何に取り組んでいるかを紹介し、儲かる税理士になるために注目するべき分野について解説します。
目次
儲かる税理士は何をやっているのか
売上を向上させている税理士はあらゆる働き方や事業展開を模索しながら、時代の潮流を捉えています。
固定観念や常識にとらわれない柔軟な発想をもって業務に取り組んでおり、常に勉強することを心がけ、知識や情報のインプットを怠っていません。
また、得た知識や情報を顧客に適切なタイミングでアウトプットできるように準備ができています。
優遇税制や補助金の活用など顧問先への情報提供
儲かる税理士はコロナ禍において、特別融資や補助金そして優遇税制に関する情報提供をきめ細かく迅速に提供しています。
コロナ禍における資金繰り面で役に立つ情報提供サポートは、業績が上向かない企業にとって心強い存在です。
親身になったサポートはコロナ禍で大打撃を受けた企業だけでなく、比較的被害が少ない企業に対しても信頼を得ることに成功しています。
経営者はさまざまな経営課題を抱えているため、優遇税制や補助金などの情報を得る時間がありません。
適切なタイミングの情報発信は、経営者にとって頼もしく映るため、到来するであろうリスクに備え、質問や相談を受ける体制構築は必要不可欠です。
税理士だからこそ発信できる特別融資、補助金そして優遇税制の発信は、頼りにされる関係性を作るツールとして有効活用しましょう。
少人数体制でも顧客が増える体制構築(DXやIT化)
あらゆる業界でIT化やDX導入の動きが加速しています。
業務の効率化が進み、付加価値の高いサービス提供の機会が増えています。
儲かる税理士にも同じことがいえます。
積極的なIT化やDXの導入により従来の属人的な業務から脱却し効率を実現したことで、マーケティングといった、いままで注力できなかった分野に取り組んでいます。
導入コストは発生しますが、人件費などのランニングコストを削減できるため、システム導入に対しプラスになる見通しを立てられるか、導入する決断力があるかで同じ税理士でも差が生まれやすいといえます。
将来予測にもとづいた顧問先の財務サポート
経営者にとってコロナ禍は、予想できなかった事態であったことはいうまでもありません。
情報収集力のある税理士はコロナ禍による経営危機をいち早く察知し、対応できる体制を構築します。
会社の財務分析、今後の業界動向そして経済の先行きまである程度把握できている税理士は依頼が増えやすく、激動の時代だからこそ、柔軟なコンサルティングができる税理士のニーズは必然的に高まります。
今後は将来の予測を先回りする視点が、税理士には求められてきます。
不確実性の高い経済状況に財務面での情報提供やリスク回避の解決手段の提案力は税理士の信頼度を高める物差しになります。
将来予測にもとづいた財務サポートをおこなうためには、日頃から情報収集を怠ることなく広い知見を得る必要があります。
儲かる税理士におすすめの分野は?
電子帳簿保存法への対応やインボイス制度を控え、クラウド会計ソフトを導入する中小企業が増えています。
また補助金を活用しDXを導入して業務効率化を目指す企業も増えており、税理士にとっても顧問契約の創出機会となり得ます。
儲かる税理士になるためには、税理士の主業務のほかに付加価値の高い業務スキルや新たな分野に進出しなくてはなりません。
その上で税理士としての立ち位置を明確にしましょう。
資産税専門税理士
資産税とは相続税、贈与税、譲渡所得に係る所得税などの総称です。
高齢化にともない相続の発生件数が増加し、その専門知識やスキルをもった税理士の需要が高まっています。
複雑で高度な知識を要する資産税専門税理士は、高度な知識やスキルのほか経験も必要となるため、希少性が高いといわれています。
今後も相続発生件数はしばらく増加傾向にあり、報酬の値崩れが起こりにくい分野として期待できます。
国際税務(海外税務)の分野へ進出する
グローバル化により、個人・法人とも国外における経済活動が盛んにおこなわれています。
それにともない複雑に絡みあった外国間に横たわる税務案件が年々増加傾向にあります。
国際税務は専門性・希少性が高い分野として地位が確立されており、人材が不足しています。
最新の国外の税務知識や語学力、世界情勢にも精通している必要があり、報酬も高く設定されている分野です。
特定業種を専門とする
専門性が高い分野への進出は、業界独自の知識やルールを熟知しておく必要があります。
とくに成長業種への進出は、高い報酬が期待できるため、新たな売上•利益を目指しやすいといえます。
特殊な税務関係を扱う税理士は、顧客に安心感をあたえ顧問としての指名をうける可能性も高まるため、今後依頼が増加する可能性があります。
異業種協業やダブルライセンス取得
顧問先は税務以外にも多岐にわたって経営課題を抱えています。
例えば、税理士と宅地建物取引士の資格を持っていれば、不動産に強い税理士として、他の税理士事務所と差別化が可能です。
税理士の立場からの顧客開拓だけでなく、宅地建物取引士の立場からの顧客開拓も可能になります。
同様に税理士がファイナンシャルプランナーの資格を取得すれば、経営者のライフプランのアドバイザリー業務も提供できます。
税理士以外の資格は異なる業種の顧客開拓だけでなく、結果的に顧客満足の向上にもつながります。
資格取得の時間が取れない税理士は、ほかの士業と協業も積極的に模索しましょう。
コミュニケーションスキルは士業にとって大切なスキル
税理士として稼げる分野や試みるに値するものは、まだまだ残されていますが、コミュニケーションを高めて、地道に顧客獲得を目指すことも悪いことではありません。
IT・AI化が急速に広まるからこそ、あたたかい人間味溢れるコミュニケーションが取れる税理士もまた希少価値が高いといえます。
経営革新等支援機関推進協議会では、顧問先におこなう財務支援を効率化できるサービスを月額3万円(税込)で提供しています。
属人的な業務や手作業による税務業務を効率化でき、即戦力につながるスタッフ教育サービスも充実しています。
手作業による業務を削減し、コミュニケーション力の向上や顧問先への情報周知に注力しやすくなります。
まとめ
クラウド会計ソフトの普及をはじめ、税理士業務はどんどん効率化されており、従来の業務だけでは売上が頭打ちになりやすい時代に突入しました。
資産税専門税理士、国際税務専門税理士そして特定業種専門税理士など新たな分野に参入し、知識や経験をつける必要性が高まっています。
税理士としてのコミュニケーション能力の向上の他にも、従来の業務を効率化し、新たな分野に参入してみてはいかがでしょうか。