税理士として活動する中で独立開業を視野に入れている方は多いかと思います。
税理士として独立開業できれば、組織の方針に縛られず自分のペースで仕事ができるなど多くのメリットがあります。
目次
税理士が独立開業する流れ
税理士が独立開業する流れを以下の順序で紹介します。
- 税理士試験合格
- 実務経験を積む
- 税理士登録申請する
- 開業資金の準備
- 開業への準備
税理士で独立開業する際は上記の流れを理解しておきましょう。
税理士試験合格
税理士になるには税理士試験に合格する必要があります。
税理士試験は年1回開催され、全11科目の中で会計2科目と税法3科目の計5科目に合格することが税理士資格取得の条件です。
税理士試験は難易度が非常に高いため1回目で5科目全て合格できる方は少なく、数年かけて合格するケースがほとんどとなります。
実務経験を積む
税理士試験合格後は日本税理士連合会の税理士名簿への登録が必要ですが、2年間の実務経験が求められます。
そのため税理士として活動するためには、試験勉強と同時に会計事務所などで実務経験を積むことが一般的です。
実務経験を積む際は税務処理ができる能力はもちろん人間関係構築も重要です。
事務所の同僚や上司、クライアントと信頼関係を構築することで独立後の仕事獲得にも役立ちます。
税理士登録申請する
税理士試験合格後、2年の実務経験を経て税理士登録を申請します。
税理士登録申請には管轄区域の税理士会に以下書類の提出が必要です。
- 税理士登録申請書
- 登録免許税領収証書(6万円)
- 登録手数料(5万円)
- 写真
- 本籍の記載のある世帯全員の住民票の写し(マイナンバーの記載のないもの)
- 身分(身元)証明書(本籍地の市区町村が発行したもの)
- 資格を証する書類(原本との照合・確認を受ける)
- 履歴書
- 誓約書
- 直近2年分の確定申告書のコピー(所得の内訳書等を含む)又は住民税の(非)課税(所得)証明書(所得の種類が確認できるもの)
- はがき(日本税理士会連合会所定のもの)
- 在職証明書
- 在職証明書に係る印鑑登録証明書
- 源泉徴収票又は確定申告書のコピー
開業資金の準備
税理士の独立開業には開業資金が必要です。
税理士登録の費用はもちろん、事務所の賃貸費用・オフィス家具やパソコンの購入費用など業務に必要なものを揃えるための資金を準備しましょう。
実務経験時に開業時期を想定して資金を用意しましょう。
開業への準備
税理士登録が済み開業資金も用意できたら、開業に向けた準備をおこないます。
事務所の立地の決定やオフィス備品を購入し、税理士業務を開始できる環境を整えます。
事務所の立地を決める時には、予定地域の競合や顧問候補の産業、業種の動向を調べた上で、想定する顧問先とマッチするエリアを選びましょう。
税理士開業にかかる費用
税理士開業にかかる費用について解説します。
- 税理士登録費用
- 事務所賃貸料
- 会計・税務ソフト代
- 名刺・ホームページ開設など諸費用
税理士開業の際は上記資金を用意しましょう。
税理士登録費用
税理士開業のためには税理士登録費用が必要です。
税理士登録するには登録免許税6万円と登録手数料5万円を払う必要があり、税理士会への入会費や年会費を合わせると20〜30万円程度かかります。
年会費は2年目以降も払う必要があり、年間10〜15万円程度の費用が毎年かかる計算です。
事務所賃貸料
事務所を借りる場合、事務所賃貸料もかかります。
毎月固定でかかる費用かつ開業費用の中でも大きな割合を占めるため、立地選びは慎重におこないましょう。
都心部など立地の良い場所に事務所を構えることは集客に有効ですが、毎月高い賃料がかかる上に初期費用も高くなるため、注意が必要です。
開業費用を抑えるために自宅やレンタルオフィスを事務所として利用することもおすすめです。
会計・税務ソフト代
税理士業務に会計・税務ソフトは必須です。
会計・税務ソフトにはパソコンに直接インストールするパッケージ型とインターネット上で利用するクラウド型があります。
パッケージ型は買い切り型のため、費用が1回しかかからず初期費用こそ高いものの長期的に見れば費用は安く済みます。
一方でクラウド型は毎月費用がかかりますが初期費用は少なく、常にアップデートされたシステムを使えることが大きなメリットです。
近年はインターネット環境があればどこでも利用できるクラウド型が人気です。
その他、操作性、機能性をみて業務に適切な会計・税務ソフトを選びましょう。
名刺・ホームページ開設など諸費用
開業初期は名刺作成費用やホームページ開設費用も必要です。
他にも事務所印(印鑑類)やパソコン・プリンター・インターネット回線などIT機器や周辺機器の購入費用もかかります。
開業当初は売上が安定するまで時間がかかるため、開業資金とは別に半年〜1年分の生活費を用意しておくこともおすすめです。
開業税理士の年収は?所属税理士と比較
開業税理士と所属税理士の年収を紹介します。
- 所属税理士の平均年収
- 開業税理士の平均年収
年収以外に業務内容などの違いも把握しておきましょう。
所属税理士の平均年収
開業税理士の平均年収は厚生労働省が発表している「令和3年賃金構造基本統計調査」によると10人以上規模の事務所に所属する公認会計士・税理士の平均年収は約624万円です。
この結果には公認会計士も含まれるため正確な数値を断定できませんが、上記の年収が所属税理士年収の目安となります。
開業税理士の平均年収
開業税理士の平均年収は統計データがないため正確な数値はわかりませんが、税理士によって大きく年収が変わることが実情のようです。
売上次第では所属税理士の年収を大きく上回り、本人の努力次第で高収入を得られる可能性があります。
開業税理士の仕事内容
開業税理士の仕事内容を解説します。
- 税務の代行
- 税務書類作成
- 税務相談
- 財務支援・コンサルティング業務
「税務の代行」「税務書類作成」「税務相談」は税理士の独占業務であり、税理士資格を持たないものが請け負うと罰則があります。
税理士として開業する前に上記をしっかりと確認しましょう。
税務の代行
税務の代行とは顧問先の確定申告や青色申告申請などの税務を代行する業務です。
また税務調査時の立ち会いや税務署の決定に異議申し立てする場合の代理人としても活動できます。
代行業務では法人や個人事業主に対して顧問契約を結び継続的に代行業務をおこなう場合と単発で依頼を受ける場合の2種類があります。
税務書類作成
税務書類作成も税理士の業務です。
税務申告時は確定申告書や青色申告承認申請書などさまざまな書類を提出しなければなりません。
税務書類作成は税理士資格の無いものが業務として請け負うと罰則があるため注意が必要です。
ただし税理士法人内の従業員が税理士監督下のもと税務書類作成をおこなう場合は問題ありません。
税務相談
税務相談はクライアントの税金に関する悩みを聞き、適切にアドバイスする業務です。
税理士に業務依頼するための事前相談だけでなく、案件に対してアドバイスのみを提供する場合もあります。
財務支援・コンサルティング業務
上記3つの独占業務以外にも財務支援・コンサルティング業務もおこないます。
財務支援業務では顧問先が迅速に資金調達できるように、事業計画書の作成や融資担当者との交渉支援が主な業務です。
他にも経営全般に関するアドバイスやM&Aのアドバイザリー業務なども請け負う場合もあります。
税理士開業のよくある失敗・後悔
税理士開業でよくある失敗・後悔として「過度に業務を受けすぎる」ことが挙げられます。
開業直後は売上を上げようと、対応能力を超えた業務量を請け負いがちです。
しかし開業して間もない頃は募集をかけても従業員がなかなか集まらず、自分ひとりでこなせる業務量が売上の上限となってしまいます。
細かい事務作業も全て自分でこなす必要があり、売上を最大化させるためにも日々の業務を効率化する必要があります。
企業の財務支援には「F+prus(エフプラス)」がおすすめ
税理士開業直後は自分ひとりであらゆる業務をこなす必要があり、日々の業務効率化が売上向上に直結します。
F+prus(エフプラス)では顧問先の財務支援を効率化できる多数の機能が搭載されており、例えば資金調達時に必要となる事業計画書作成の自動生成機能や財務状況を詳細に把握できる財務診断報告書の作成機能が備わっています。
これらの機能を活用すれば顧問先に対して適切な財務支援がおこなえ、事業計画書作成にかかる工数を削減できます。
開業当初の膨大な業務量に悩んでいる税理士の方はぜひF+prus(エフプラス)導入をご検討ください。
まとめ
税理士の開業には税理士資格の取得だけでなく、実務経験や開業準備などが必要です。
また開業当初は自分ひとりであらゆる業務をこなさなければならず、業務効率化は必要不可欠です。
今回後紹介したF+prus(エフプラス)は、税理士事務所の日々の業務を効率化し売上を最大化できます。ぜひ、税理士開業を成功に導くためにもF+prus(エフプラス)の導入をご検討ください。